金谷(読み)カナヤ

デジタル大辞泉 「金谷」の意味・読み・例文・類語

かなや【金谷】

静岡県島田市の地名。旧町名。大井川西岸にあり、東海道五十三次の大井川渡しの宿場町として発達。JR東海道本線から大井川鐵道てつどう分岐する。

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精選版 日本国語大辞典 「金谷」の意味・読み・例文・類語

きん‐こく【金谷】

  1. [ 一 ] 中国、河南省洛陽の西北渓谷。晉の石崇(せきそう)の別荘、金谷園があった。
    1. [初出の実例]「景麗金谷室。年開積草春」(出典:懐風藻(751)初春於作宝楼置酒〈長屋王〉)
  2. [ 二 ] 金谷園のこと。

かなや【金谷】

  1. 静岡県島田市の地名。大井川西岸に位置する東海道五十三次二十四番めの宿駅で、島田と対する川越え地点として繁栄。茶の生産の中心地大井川鉄道起点。金屋。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金谷」の意味・わかりやすい解説

金谷(静岡県)
かなや

静岡県中部、榛原郡(はいばらぐん)にあった旧町名(金谷町(ちょう))。現在は島田市の西部を占める地域。大井川右岸に位置する。旧金谷町は1889年(明治22)町制施行。1957年(昭和32)五和(ごか)村と合併。2005年(平成17)島田市と合併。地域の大半は赤石(あかいし)山脈の前山にあたる山地が占め、南部は洪積台地牧ノ原、西側は菊川上流の谷、東側は大井川右岸の沖積扇状地である。JR東海道本線、国道1号、473号が通じ、奥大井に向かう大井川鉄道の起点でもある。新東名高速道路の島田金谷インターチェンジがある。『和名抄(わみょうしょう)』に質侶郷(しとろごう)と記され、志戸呂焼(しどろやき)の産地として知られる。江戸時代には東海道五十三次の宿場町で、対岸の島田とともに大井川の徒渉制度によって繁栄した。明治初年の徒渉制廃止後、士族授産と川越人足救済が端緒となり牧ノ原の開拓が進み、大茶園が形成された。製茶とともに茶製造機械の生産が盛んである。茶製造機械は全国一の市場占有率をもつ。独立行政法人野菜茶業研究所の金谷茶業研究拠点、茶をテーマとした複合施設「お茶の郷」がある。牧ノ原大茶園は金谷駅から車で5分、大井川、富士山、駿河(するが)湾の眺望がよい。付近の諏訪原城跡(すわはらじょうあと)は国指定史跡。旧東海道金谷坂から城跡まで石畳の道が復元されている。

[川崎文昭]

『平口機一郎他編『金谷町誌稿』(1913・金谷町)』『『金谷郷土史資料』全2冊(1964・金谷郷土史研究会)』『『金谷町史』全5冊(1990~2003・金谷町)』



金谷(千葉県)
かなや

千葉県南西部、内房(うちぼう)海岸にある富津市(ふっつし)の一地区。旧金谷村。背後に鋸山(のこぎりやま)を控えた狭小な海岸にあり漁港をなす。漁港の北にある金谷港は三浦半島久里浜(くりはま)港と結ぶフェリーボートの発着基地で、冷泉を引いた旅館やドライブインなどもある。鋸山登山のロープウェーも架設されていて南房総国定公園観光の一拠点である。金谷神社は製鉄史上貴重な鏡形鉄板を有し、鉄尊(てっそん)様と称される。

[山村順次]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金谷」の意味・わかりやすい解説

金谷
かなや

静岡県中部,島田市南西部の旧町域。大井川中流右岸にある。 1889年町制。 1957年五和村と合体。 2005年島田市と合体。北部の五和地区は赤石山脈の前山地域,南部は牧之原台地北部を占める。中心集落の金谷は牧之原台地北部崖下の狭い谷間にある。天正 18 (1590) 年,大井川の河道を東に移したことにより,金谷が渡河地点となり,対岸の島田とともに東海道の宿場町として繁栄。現在は牧之原台地を背後に控えた県下屈指の茶の産地。製材,コンクリート製品,鉄鋼,食品などの工業も行なわれる。諏訪原城跡は国の史跡。 JR東海道線金谷駅から千頭を経て井川まで大井川鉄道が通じ,奥大井観光の起点となっている。

金谷
かなや

千葉県南西部,富津市の一地区。鋸山登山の起点でロープウェーが通じる。浦賀水道にのぞみ,金谷と三浦半島久里浜間に東京湾フェリーが就航。浜金谷近くの砲台山には,レジャーランドが開設されている。

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百科事典マイペディア 「金谷」の意味・わかりやすい解説

金谷[町]【かなや】

静岡県榛原(はいばら)郡,大井川右岸の旧町。中心の金谷は東海道の旧宿場町で,対岸の島田とともに大井川の川越で繁栄。東海道本線が通じ,大井川鉄道が分岐。牧ノ原の大茶園地帯をひかえる製茶の中心地で,国立茶業試験場がある。食品加工,製材などの工場もある。2005年5月島田市へ編入。64.36km2。2万1036人(2003)。

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改訂新版 世界大百科事典 「金谷」の意味・わかりやすい解説

金谷 (かなや)

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事典・日本の観光資源 「金谷」の解説

金谷

(静岡県島田市)
東海道五十三次」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の金谷の言及

【大井川】より

…またこの川には先の接阻峡,寸又峡をはじめとして,本流の田代~徳山間,塩郷~笹間渡(ささまど)間(鵜山七曲(うやまななまがり))などに著しい穿入(せんにゆう)曲流区間があって,景勝の地として知られる。島田~金谷間のやや北で山地を離れた大井川は,南と西を牧ノ原台地に限られて,扇状地性の大井川平野を東方に向けて発達させている。この牧ノ原台地は,旧大井川のはんらん原がその後に隆起してできた洪積台地で,面上には明治以降に開かれた大茶園が広がっている。…

【質侶牧】より

…遠江国蓁原(はいばら)郡(現,静岡県榛原郡金谷町)の牧。同牧ははじめ大江公資の私領で,嫡子広経,外孫藤原永実,その子永範と伝領された。…

※「金谷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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