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雇用・利子および貨幣の一般理論 こようりしおよびかへいのいっぱんりろんThe General Theory of Employment,Interest and Money

世界大百科事典 第2版の解説

こようりしおよびかへいのいっぱんりろん【雇用・利子および貨幣の一般理論 The General Theory of Employment,Interest and Money】

イギリスの経済学者J.M.ケインズの主著。1936年刊。その出版は経済学にケインズ革命と呼ばれる革新の波を生ずるとともに,第2次大戦後の世界各国の経済政策の考え方に大きな影響を与えた。経済学者J.R.ヒックスは,20世紀中葉の第3四半世紀は後世〈ケインズの時代〉とみなされるようになるにちがいない,と述べている。
[《一般理論》成立の背景]
 1929年の世界的な大恐慌はイギリスにも大きな影響を及ぼし大量の失業が生じた。

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世界大百科事典内の雇用・利子および貨幣の一般理論の言及

【経済学説史】より

…もともと新古典派(新古典派経済学)という名称は,最近のように一般均衡理論を中心とする現代経済学の主流を指すのではなく,ケンブリッジ学派の別名であったが,そこでA.C.ピグーの《厚生経済学》(1920),J.ロビンソンの《不完全競争の経済学》(1933)などが生まれた。しかしマーシャル以後のケンブリッジ学派における最大のトピックは,その自己批判の書であるJ.M.ケインズの《雇用・利子および貨幣の一般理論》(1936)の出現である。市場機構の自動的調整により有効需要の不足は解消し,完全雇用が実現するという古典派から新古典派へ続くパラダイムに対して,それを否定する重商主義,マルサス以来のパラダイムがケインズの有効需要の原理という新しい周辺部分を得て強力に復活したのがケインズ革命である。…

【ケインズ】より

…20世紀前半を代表するイギリスの経済学者。その著《雇用・利子および貨幣の一般理論》(1936)によって経済学にケインズ革命と呼ばれる変革をもたらすとともに,その考え方は第2次大戦後の先進工業国の政策に大きな影響を与えた。その著《形式論理学》(1884)および《政治経済学の範囲と方法》(1890)によって知られる経済学者で,ケンブリッジ大学の管理者でもあったジョン・ネビルJohn Neville(1852‐1949)を父とし,社会事業にたずさわり,ケンブリッジの最初の女性市会議員,市長などを務めたフローレンス・エイダを母として,ケンブリッジのハーベー・ロード6番地に生まれた。…

【ケインズ学派】より

…イギリスの経済学者J.M.ケインズによって創始されたいわゆる〈ケインズ経済学〉を研究し,その分析結果に基づいて一定の政策提言を行う経済学上の一学派をいう。
[新古典派とケインズ経済学]
 通常ケインズ経済学とよばれる経済学は1936年に刊行されたケインズの《雇用・利子および貨幣の一般理論》によって樹立された。ケインズは,当時の正統的な経済学である新古典派経済学を特殊なものとして含む,より一般的な理論がみずからの理論であると考え,書名もそうした意味で《一般理論》としたのであった。…

【ケンブリッジ学派】より

…このうち第三命題は後に《産業変動論》(1927)へと発展させられたが,景気変動論はむしろ,彼の後継者D.H.ロバートソンの《産業変動の研究》(1915),《銀行政策と価格水準》(1926)などを通じて早くから展開されていた。 イギリス経済は,その後29年の大恐慌後の不況期に多量の失業者と遊休設備に悩まされるようになったが,そのなかでJ.M.ケインズの《雇用・利子および貨幣の一般理論》(1936)が出版され,〈供給は需要をつくりだす〉という〈セーの法則〉に立って完全雇用のもとでの資源配分を取り扱ってきた従来の経済学に批判を加え,いわゆる〈ケインズ革命〉をひき起こすことになった。彼の理論はやがてケインズ学派を生みだしていくことになった。…

【新古典派経済学】より

…1930年代に行われたJ.ロビンソンやE.チェンバレンの独占的競争理論も,独占の弊害を指摘し,市場が資源配分にバイアスをもたらすことを明らかにしたものの,合理的行動と市場均衡という新古典派の基本仮説を否定するものではなかった。 ところが,J.M.ケインズの《雇用・利子および貨幣の一般理論(一般理論)》は,新古典派からの逸脱であり,ケインズ革命とよばれるにふさわしい出発点であった。そこにおいてケインズは,企業および家計の合理的行動は一部認めつつも,価格の市場調整機能を否定し,短期的には価格よりも生産販売数量のほうが伸縮的であること,および貨幣を含む市場経済においては不均衡現象としての非自発的失業がむしろ常態であることを強調した。…

【大恐慌】より

…もう一つの学説は,連邦準備制度による通貨政策の失敗を重視し,通貨供給量を削減しすぎたことが原因だとする,いわゆるマネタリズムの考えである。J.M.ケインズは,不況の原因を有効需要の不足に求める理論体系を《雇用・利子および貨幣の一般理論》として1936年に発表した。有効需要の不足によって発生している大量の失業を,政府支出の拡大なり減税といった財政政策,あるいは通貨供給の増大といった金融政策によって,解消していくことができることを証明したのである。…

※「雇用・利子および貨幣の一般理論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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