雲仙市(読み)うんぜん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

雲仙〔市〕
うんぜん

長崎県南東部,島原半島の北部から西部を占める市。北は有明海,西は橘湾に面する。市名の由来である雲仙岳を取り囲むように位置する。2005年国見町,瑞穂町,吾妻町,愛野町,千々石町,小浜町,南串山町が合体して市制。中心部にある雲仙岳から放射状に扇状地が広がり,河川流域に集落がある。廃藩置県までは島原藩肥前藩の支配下にあったが特に北部にその影響が強くみられ,国見町神代小路は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。北西部の扇状地を流れる河川流域には水田が多く,海岸には干拓地が広がる。1999年には諫早湾干拓事業の一貫として,対岸の諫早市との間に潮受け堤防が設置された。中心産業は農業。稲作以外ではジャガイモとイチゴの栽培が盛んで,いずれも生産量は九州随一。肉用牛などの畜産も行なわれる。諫早湾側ではノリの養殖,橘湾側ではハマチの養殖のほか,カタクチイワシの煮干しを特産する。九州を代表する温泉街の雲仙温泉や湯量豊富な小浜温泉をはじめ,千々石断層崖下の千々石海岸,崖上の愛野展望台など風光明媚な見どころが多く,年間を通じて観光客が訪れる。普賢岳紅葉樹林,土黒川のオキチモズク発生地,原生沼沼野植物群落,地獄地帯シロドウダン群落,池の原ミヤマキリシマ群落,野岳イヌツゲ群落など国指定天然記念物も多数有する。雲仙岳一帯は雲仙天草国立公園に,西部の海岸沿いは島原半島県立自然公園に属する。島原鉄道,国道57号線,251号線,389号線が通じる。面積 214.31km2。人口 4万4115(2015)。

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