頓珍漢(読み)とんちんかん

精選版 日本国語大辞典 「頓珍漢」の意味・読み・例文・類語

とん‐ちん‐かん【頓珍漢】

〘名〙 (形動) (「頓珍漢」は当て字鍛冶屋相槌(あいづち)を打つ音が交互してそろわないさまから)
物事が行き違ったり前後したりしてわけがわからなくなること。つじつまが合わないで、ちぐはぐになること。また、そのさま。
※歌舞伎・恋慕相撲春顔触(1872)序幕「間の悪い時にゃあ悪いもので、かうとんちんかんに見出されちゃあ」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二「これで懸合をやった日には頓珍漢なものが出来るだらうと」
② とんまな言動をすること。また、そのさまやそのような人。
※続あにいもうと(1934)〈室生犀星〉「偉い子供も出来の悪い子供もわからないトンチン漢だと」

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デジタル大辞泉 「頓珍漢」の意味・読み・例文・類語

とん‐ちん‐かん【頓珍漢】

[名・形動]鍛冶屋かじや相槌あいづちの音を漢字を当てて表したもの。その打つ音がそろわないところから》
物事のつじつまが合わないこと。見当違いであること。また、そのさま。「頓珍漢受け答え
間のぬけた言動をすること。また、そのさまや、その人。「頓珍漢な奴」「この頓珍漢め」
[類語](1的外れ誤算見当違いお門違い場違い筋違い見当外れ期待外れ・目算違い・当て外れ/(2馬鹿阿呆あほう魯鈍ろどん愚鈍無知蒙昧もうまい愚昧ぐまい愚蒙ぐもう暗愚頑愚愚か薄のろ盆暗ぼんくらまぬけとんまたわけ馬鹿者馬鹿野郎馬鹿たれ与太郎抜け作おたんこなすおたんちんあんぽんたんべらぼうあほんだら頓痴気木偶でくの坊唐変木表六玉表六いかれぽんちぼけなすろくでなし脳足りん出来損ないすっとこどっこい

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