(読み)ケン

デジタル大辞泉 「顕」の意味・読み・例文・類語

けん【顕〔顯〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ケン(呉)(漢) [訓]あきらか あらわ あらわれる あらわす
はっきり目立つ。あきらか。「顕現顕在顕示顕著隠顕
隠れたものを明らかにする。あらわす。「顕彰顕微鏡露顕
地位身分が高い。「顕官顕職顕要貴顕
顕教」の略。「顕密
[名のり]あき・あきら・たか・てる

けん【顕】

あきらかであること。また、あらわれること。
「―にして晦、肯定にして否定」〈芥川侏儒言葉
顕教けんぎょう」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「顕」の意味・読み・例文・類語

けん【顕】

  1. 〘 名詞 〙
  2. あらわれること。あらわすこと。また、物事のあきらかなこと。
    1. [初出の実例]「顕には武士が世にて有べしと、宗廟の神も定めをぼしめしたることは」(出典:愚管抄(1220)六)
    2. [その他の文献]〔易経‐繋辞下〕
  3. けんぎょう(顕教)」の略。
    1. [初出の実例]「つらつら出離の要義を案ずるに、けんにつけみつにつけ、開悟やすからず」(出典:曾我物語(南北朝頃)一二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「顕」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 18画

(旧字)顯
人名用漢字 23画

[字音] ケン
[字訓] あきらか・あらわれる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
旧字は顯に作り、(けん)+頁(けつ)。は〔説文〕七上に「日中に絲をるに從ふ。古以て顯の字と爲す」とあって、顯の初文とする。は日(玉の形)に呪飾を加えた形。神霊をよぶときの神降しに用いるもので、わが国の白香(しらか)などに類する。〔説文〕九上に顯を「頭のなり」とするが、は頭飾でなく、頁はこれを拝して神霊の顕現を祈る意。〔大盂鼎〕「丕(おほ)いに顯(あき)らかなる王」のように、神明の徳をたたえる語に用いる。金文にまた(けん)の字があり、これも神降しに玉を拝する形で、〔大克鼎〕に「天子哲にして孝す」とあり、これは神につかえる意に用いる。また現も玉を拝し、それに対して神霊の現われることをいう字である。

[訓義]
1. あきらか、神霊があらわれる、神がみずからをあらわすことをいう。
2. あらわに、明白に、著しい。
3. 形としてあらわれる、表面に出る、そと、おもて。
4. さかえる、世に知られる。
5. 頭の飾り。

[古辞書の訓]
名義抄〕顯 アラハス・アラハナリ・アキラカナリ 〔字鏡集〕顯 ホガラカナリ・アキラカナリ・アラハル・ミル・サカリ・ヒカリ・ツク

[語系]
顯xian、現・見hyanは声義近く、みな神霊など、神聖なものを見て、これを見あらわすこと、神霊などが顕(た)ちあらわれることをいう。

[熟語]
顕位・顕異顕懿・顕允・顕栄・顕顕赫・顕学・顕豁・顕官・顕貴・顕軌・顕器・顕義・顕休・顕見・顕験・顕言・顕現・顕功・顕効・顕考・顕士・顕仕・顕志・顕示・顕者・顕爵・顕称顕敞・顕彰・顕賞・顕章・顕親・顕人・顕盛・顕迹・顕善・顕尊・顕達・顕智・顕秩・顕著・顕詆・顕徳・顕得・顕白・顕抜・顕美・顕微・顕否・顕表・顕聞・顕没・顕密・顕名・顕命・顕明・顕黙・顕・顕誉・顕要・顕揚・顕戮・顕列・顕烈・顕露・顕弄・顕禄
[下接語]
隠顕・栄顕・華顕・顕・赫顕・貴顕・顕・高顕・彰顕・清顕・尊顕・天顕・徳顕・丕顕・微顕・表顕・褒顕・明顕・露顕

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