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食封 じきふ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

食封
じきふ

古代の禄制度。皇族,諸臣の位階,官職,勲功者,社寺などに与えられた封戸大化改新のとき,豪族の私地,私民を収公した代償として大夫以上に与えたことに始る。位封職封功封,別勅封,院宮封などがあった。『養老令』では,親王にはその品位 (ほんい) によって 800~400戸,内親王には親王の半分,太政大臣 3000戸,左右大臣 2000戸,大納言 800戸,正一位~従三位には 300~100戸と規定されていたが,のちには寺社などにも与えられた。与えられた封戸は封主の直接支配におかれず,封物は国司,郡司を経て納入される形態をとったが,律令貴族の重要な経済基盤であった。

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百科事典マイペディアの解説

食封【じきふ】

封戸(ふこ)

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世界大百科事典 第2版の解説

しょくほう【食封 shí fēng】

食実封の略称。中国において王公に封ぜられた者が領内の封戸から収取する所得をいい,周・漢の食邑(しよくゆう)に当たる。六朝以降一般に封邑が名目的となり虚封が大半を占めるに至り,それと区別するため収入を伴う場合とくに〈実封○○戸〉と称し,皇族や功臣の優遇に用いられた。唐制では実封戸の租庸調の1/3が領主に入り,2/3は中央政府の収入となった。はじめ封主が官を派遣して徴収に当たったが,のち中央が一括徴収して分与する制に改められた。

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大辞林 第三版の解説

じきふ【食封】

律令制で、親王・貴族・寺院などに俸禄として封戸ふこを支給したこと。特定の戸を封戸として指定し、そこからの租の半分と庸調のすべて、および仕丁の労役を徴収する。位階による位封、官職による職封、勲功による功封などがある。

しょくほう【食封】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

食封
じきふ

律令制(りつりょうせい)における俸禄(ほうろく)の一つ。令の禄令に定められている。親王、貴族、寺院などに支給されることになっていた。特定の戸(こ)を公戸のうちから設定して封戸(ふこ)とし、そこからの租の半分、庸・調の全部、および仕丁(しちょう)を支給したものである。親王・貴族に与えられるものとしては、四品(しほん)ないし従三位(じゅさんみ)以上の位階にある者に位封(いふ)、太政大臣(だいじょうだいじん)・左右大臣に職封(しきふ)が与えられ、寺院には5年を限って封戸が支給された。また特別の功臣や天皇の命令によって別に支給される功封(こうふ)もあった。これらの食封は、中国の食封の制に倣ったもので、貴族・皇族の経済的基盤として大きな意味をもっていたが、平安中期以後しだいに衰退し、荘園(しょうえん)制度のなかに解消していった。[鬼頭清明]

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世界大百科事典内の食封の言及

【位階】より

…貴族階級とされるのは五位以上のものを指すと考えてよい。有位者は食封(じきふ),位禄,季禄,位田等を給されたが,食封は親王(800~300戸)と三位以上(300~100戸),位禄は四位・五位,位田(品田)は親王(80~40町)と五位以上(80~8町)を対象とした。季禄は春秋2季に,各人の官職の相当官位に応じて支給されるもので,六位以下の官人もその対象となった。…

【封戸】より

…日本古代の給与制度の一つである食封(じきふ)によって指定された戸を,封戸という。646年(大化2)のいわゆる大化改新の詔の中で,それまでの貴族等のもっていた私有地,私有民を廃止し,かわりに大夫以上に食封を支給することにしたことがみえる。…

【相続】より

…爵の種類は唐代を例にとると,国王,郡王,国公,郡公,県公,県侯,県伯,県子,県男の9等である。この爵位につき付与される〈食封(しよくほう)〉は後継者2,他の兄弟1の割合で分割相続する。後継者の基本は嫡妻(正妻)の長子で,これを〈嫡子〉といい,嫡子が死亡したり,刑を受けたり,病があったりすると嫡孫が後を継ぐ。…

※「食封」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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