飯坂温泉(読み)イイザカオンセン

デジタル大辞泉 「飯坂温泉」の意味・読み・例文・類語

いいざか‐おんせん〔いひざかヲンセン〕【飯坂温泉】

福島市北部にある温泉。摺上すりかみ川沿いにあり、泉質は単純温泉硫酸塩泉秋保あきう鳴子とともに奥州三名湯の一。

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精選版 日本国語大辞典 「飯坂温泉」の意味・読み・例文・類語

いいざか‐おんせんいひざかヲンセン【飯坂温泉】

  1. 福島市飯坂にある温泉。阿武隈川支流の摺上(すりかみ)川右岸にある。古くから開け、「奥の細道」で芭蕉が泊まったのは今の鯖湖湯(さばこゆ)付近であったといわれる。泉質は芒硝(ぼうしょう)泉・単純泉神経痛リウマチ外傷にきく。奥州三名湯の一つ。

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日本歴史地名大系 「飯坂温泉」の解説

飯坂温泉
いいざかおんせん

[現在地名]福島市飯坂町・飯坂町湯野

摺上すりかみ川が福島盆地に出る谷口の河岸段丘上に位置。飯坂町内の鯖湖さばこを中心とした地区、摺上川に架けられた十綱とづな橋から上流へ約二キロ、奥飯坂おくいいざか温泉ともよばれる穴原あなばら温泉・天王寺てんのうじ温泉の地区、摺上川の支流あか川沿いの地区に分れ、奥州三名湯の一として知られる。温泉は第三紀層の断層線から湧出する。開湯時期は不詳であるが、鯖湖湯には日本武尊が東征の折入湯したという伝承があり、また大鳥おおとり城主の信夫庄司佐藤基治は湯の庄司とも称され、これは当温泉とかかわるとする説もある。温泉掎角論(常泉寺蔵)に載る寛文一二年(一六七二)の申渡書によれば、佐藤十兵衛尉勝行によって開かれたとされる。享保一四年(一七二九)の上飯坂村絵図(西山家蔵)には、波古はこ(波来湯)たきの湯・鯖湖湯・透達とうだ湯がみえ、鯖湖湯は佐波子・佐波古とも記し、湯神の鯖湖薬師が祀られている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「飯坂温泉」の意味・わかりやすい解説

飯坂温泉
いいざかおんせん

福島県福島市の北部,飯坂・湯野両温泉を含み,摺上川 (すりかみがわ) の谷をはさんで広がる観光温泉地。温泉は河床から電力で汲上げる。泉質は単純泉,硫酸塩泉,硫黄泉。泉温 50~70℃。宮城県の秋保温泉鳴子温泉とともに奥州三名湯の1つで,歓楽的色彩が強い。『奥の細道』で知られる鯖湖湯のほか,波湖湯,滝湯などの共同浴場がある。磐梯吾妻スカイラインの観光基地でもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「飯坂温泉」の意味・わかりやすい解説

飯坂温泉
いいざかおんせん

福島県北部、福島市にある温泉。鎌倉時代にすでに利用されていたとみられ、松尾芭蕉(ばしょう)や白河(しらかわ)藩主松平定信(さだのぶ)らも入湯したという。摺上川(すりかみがわ)の両岸から湧出(ゆうしゅつ)し、泉質は単純温泉。設備は大規模化し、付近にはリンゴ、モモの果樹園が多く、大鳥城跡天王寺医王寺などがある。福島交通飯坂線飯坂温泉駅下車。

[原田 榮]

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