翻訳|lira
イタリアをはじめバチカン帝国,サンマリノ共和国,トルコ共和国における現行の通貨単位。1イタリア・リラは100チェンテジモcentesimoである。
イタリアにおいては1861年,サルデーニャ王国がイタリア統一を達成したとき以来,リラは通貨単位とされてきた。それより先,サルデーニャ王国では16世紀以来リラ表示の通貨を使用,1816年には1リラ=100チェンテジモという現在と同一の通貨呼称の整備が行われた。その後,イタリア統一とともに全国的な制度となり,現在に至っている。リラの語源は銀の重量単位であるリブラlibraで,ポンドpoundと同量である。
イタリア統一時の1リラは4.5gの純銀と同価値であったが,市場における減価により平価維持を困難にすることが多かった。ドルとの交換比率は1927年に1リラ=0.0526ドルとされたが,第2次大戦における敗北でさらに減価,49年には1リラ=0.0016ドルとされた。しかし,71年12月の国際通貨調整においては他のヨーロッパ主要通貨とともに切上げとなり,1リラ=0.00172ドルとなった。その後,79年3月のヨーロッパ通貨制度(EMS)の発足に際しては,西ドイツ・マルク,フランス・フラン,オランダ・ギルダー,ベルギー・フラン,デンマーク・クローネ,アイルランド・ポンドとともにイタリア・リラも当初より参加した。
2002年1月からのヨーロッパ連合(EU)の単一通貨〈ユーロ〉の導入に伴いイタリア,バチカン,サンマリノではリラは姿を消すことになった。
執筆者:川島 孝夫
元来は古代ギリシアの弦楽器の一種であるが,その名称は種々の楽器に用いられている。(1)古代のリラ ギリシア神話でヘルメスがアポロンにささげた楽器として伝えられているもので,亀の甲羅に牛の革をかぶせた胴と,2本の腕木の間にわたされた横木との間に弦が張られており,古代ギリシアの壺にアウロスとともに多く描かれている。同種の楽器は現在もなおアフリカ北東部で使用されており,発生地としては西アジア,エジプトおよびギリシアがあげられている。(2)中世ヨーロッパの弓奏弦楽器 セイヨウナシを縦に二分した形の胴をもち,上板には半円形の響孔が向い合せについているのが特徴である。バルカン半島には現在も同形同名の弓奏弦楽器がある。(3)15~18世紀ヨーロッパの弓奏弦楽器 バイオリンに近い胴に多数の弦が張られており,幅広い棹と板状の糸倉に垂直に挿し込まれた糸巻が特徴である。音域によってリラ・ダ・ブラッチョlira da braccio(腕で支えて奏する),リラ・ダ・ガンバlira da gamba(脚の間にはさむ)などがある。(4)携帯用鉄琴の名称 ベル・リラともいう。音板が吊り下げられる枠の形がリラに似ているところからつけられた。(5)旧ソ連,スウェーデンにおけるハーディ・ガーディの名称。
このほかにもリラは音楽を象徴する記号として図案化され,広く親しまれている。
執筆者:郡司 すみ
ドイツのマルクス主義文芸批評家。1933年までブレスラウの新聞文芸部長を務めるが,ナチスにより執筆停止処分をうける。45年以降,《文学とリュート》(1948),《文学史におけるゲーテ》(1949)などの鋭い論評で文学史の歪曲と戦う。編纂に当たったレッシング全集(1954-58)の第10巻《レッシングとその時代》ではレッシングにおける〈理論と実践の統一〉を強調した。ゼーガース,ブレヒトなど現代文学に関する評論も次々に発表。ドイツ民主共和国国民賞を批評家として初めて受賞した。
執筆者:長橋 芙美子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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