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TCA回路 ティーシーエーかいろ TCA cycle; tricarboxylic acid cycle

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

TCA回路
ティーシーエーかいろ
TCA cycle; tricarboxylic acid cycle

トリカルボン酸回路の略。クエン酸回路クレブズ回路ともいう。解糖作用で生じたピルビン酸が,炭酸ガスと水とに分解するときの生体内反応回路。ピルビン酸はオキサル酢酸と縮合してクエン酸となる。

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デジタル大辞泉の解説

ティーシーエー‐かいろ〔‐クワイロ〕【TCA回路】

トリカルボン酸回路

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百科事典マイペディアの解説

TCA回路【ティーシーエーかいろ】

クエン酸回路

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栄養・生化学辞典の解説

TCA回路

 →クエン酸回路

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

TCA回路
てぃーしーえーかいろ

動植物を通じて呼吸のもっとも主要な代謝経路と考えられているもので、トリカルボン酸tricarboxylic acid回路の略称。1940年にこれを発見したイギリス生化学者H・A・クレブスが、この回路にはクエン酸やイソクエン酸(クエン酸の異性体)などカルボキシ基カルボキシル基)を3個もつ有機酸(トリカルボン酸)が関与しているところから命名した。また、クエン酸の合成でこの回路が始まることからクエン酸回路ともよばれ、さらに、発見者の名をとってクレブス回路ともいう。
 TCA回路は酸素呼吸を行うほとんどの生物に広くみられ、とくに動植物や菌類などではミトコンドリアとよばれる細胞小器官の溶性部分(ミトコンドリアマトリックス)に局在している。この回路のおもな役割は、酸素吸収を伴う電子伝達系(呼吸鎖)とともに働いて炭水化物、脂肪、タンパク質などを水と炭酸ガス(二酸化炭素)に完全に分解し、生命の働きに必須(ひっす)のエネルギー物質として重要なATP(アデノシン三リン酸)をもっとも効率よく生産することにある。ちなみに、細胞質ゾルにおいて解糖系により1分子のブドウ糖を無酸素的に分解する場合は、2分子のATPしか産生されないのに対し、TCA回路によって完全に分解する場合は、細菌の場合で38分子、真核生物の場合は36分子ものATPを産生することができる。このエネルギー回収率は約40%と非常に高い。ATP産生の効率は脂肪がもっとも高く、ついで炭水化物、タンパク質の順である。またこの回路は、アミノ酸やポルフィリンなどの合成にも関与している。
 脂肪酸はミトコンドリアでのβ(ベータ)酸化により分解され、アセチルCoA(アセチル補酵素A、活性酢酸。CoAはコエンチームAともいう)を生ずる。糖は解糖によりピルビン酸を生じ、ピルビン酸はミトコンドリアに入ってCoAと反応してアセチルCoAを生じる。TCA回路の最初の反応は、これらの過程でできたアセチルCoAとオキサロ酢酸が縮合してクエン酸ができる反応である。クエン酸は、回路を回り()ふたたびオキサロ酢酸を生ずる。タンパク質は代謝されてアミノ酸となり、最終的にはアセチルCoAもしくは2-オキソグルタル酸などとなり回路に入る。回路の中では1か所でGTP(グアノシン三リン酸)を生ずる。GTPからはヌクレオシド二リン酸キナーゼによりATPが生ずる。また、4か所で酸化還元反応(2か所の酸化的脱炭酸反応を含む)があり、これらの反応を触媒する酵素デヒドロゲナーゼの補酵素である酸化型NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)あるいはFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)が還元される。この酸化還元反応で4分子の水素に相当する水素原子が、還元型NAD・FADおよび水素イオンの形で回路から放出され、最終的にはミトコンドリア内膜上に存在する電子伝達系で酸素と反応し、水になる。還元型NAD・FADは、電子伝達系を通じて酸素により酸化され、元の酸化型に戻り、そのとき放出される自由エネルギーを利用してミトコンドリア内膜上のATP合成酵素(リガーゼ)によりATPが生成される。これを酸化的リン酸化という。
 このようにして合成されたATPは、ほとんどすべての生命現象、たとえば知覚、運動、成長、増殖などに広く利用される。また、ヒトの栄養素のなかでも微量ながら重要なビタミンB群に含まれるチアミン(ビタミンB1)、ニコチン酸、リボフラビン(ビタミンB2)、パントテン酸などは、TCA回路やそれに関係した反応が円滑に行われるための補酵素の成分としてたいせつな働きをしている。[上原亮太・馬渕一誠]
『David W. Martinほか編、上代淑人監訳『スーパー・生化学』(1986・丸善) ▽C. R. Paterson著、村地孝監訳『ヒューマン バイオケミストリー』(1990・化学同人) ▽島原健三著『概説 生物化学』(1991・三共出版) ▽P・W・クーヘルほか著、林利彦ほか訳『例題で学ぶ代謝と生合成』(1993・マグロウヒル出版) ▽F・H・ギルバート著、太田英彦・原諭吉訳『ベーシックコンセプト 生化学』改訂新版(1995・朝倉書店) ▽フランク・H・ヘプナー著、黒田玲子訳『ゆかいな生物学――ファーンズワース教授の講義ノート』(1995・朝倉書店) ▽Philip Kuchelほか著、林利彦訳『生化学3 代謝と生合成』(1996・オーム社) ▽三浦謹一郎・渡辺公綱編著、堅田利明ほか著『新化学教科書シリーズ10 バイオケミストリー』(1997・昭晃堂) ▽C・K・マシューズほか著、三浦謹一郎ほか訳『カラー 生化学』(2003・西村書店) ▽T・マッキー、J・R・マッキー著、市川厚監修、福岡伸一監訳『マッキー 生化学――分子から解き明かす生命』(2003・化学同人)』

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