翻訳|chalk
石灰質の殻(から)をもつ浮遊性の単細胞生物の遺骸(いがい)と非常に微細な方解石とからなる岩石。一般に多孔質、細粒で、あまり硬くなく、もろくて壊れやすい。白色または灰白色を呈し、約90%以上が炭酸カルシウムからなる。この岩石を構成する生物遺骸はおもに単細胞植物の一種コッコリスで、ほかに有孔虫、アンモナイト、ウニ、二枚貝なども含まれていることがある。北フランスからイギリスにかけて分布する白亜紀の地層によく知られており、イギリス海峡の両岸のものはとくに有名である。白亜はチョークの訳語である。
[斎藤靖二]
(1)chalk
コッコリスや有孔虫などの遺骸が堆積した,CaCO3が主成分の白~灰白色の石灰泥岩。白亜とも。アンモナイトやベレムナイトなど大型の石灰質殻生物遺骸を多く含む石灰岩に移化することも多く,全体として暖かい海域の浅海・遠洋性堆積岩と考えられている。北米,ヨーロッパ(ドーバー海峡の両岸地域の白亜の崖は特に有名),ロシア,南アジア,西部オーストラリアと,その分布はある限られた幅で追跡され,白亜紀に限って大量に生成されたCaCO3の純度の高い特殊な石灰泥岩相として,地球環境・生物の集団絶滅や大陸移動・プレートテクトニクスとの関連で注目されている。
執筆者:木村 春彦・沖村 雄二
(2)Chalk
英国の上部白亜系(Cenomanian~Senonian)。下部はマール相で,アンモナイトのAcan-thoceras, ウニのHolaster, 中部はチョーク相で二枚貝のInoceramus, 腕足類のRhynchonella, 上部はフリントを伴うチョーク相でベレムナイト類が特徴的に産出する。層厚は300~500m。
執筆者:田中 啓策・沖村 雄二
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
西ヨーロッパやメキシコ湾岸の上部白亜紀層に特徴的にみられる微細な石灰粒からなる白色未固結の堆積岩で,ドーバー海峡に面する海崖に典型的に発達する。チョークは以前には無機的な炭酸石灰の沈殿物と考えられていたが,電子顕微鏡の発達により,これが主として浮遊性藻類であるコッコリトフォリーダの遺骸(コッコリス)から形成されていることが明らかとなった。しばしばフリントの団塊を含み,場所によってはアンモナイト,ベレムナイト,二枚貝,ウニなどの化石を含む。一般に方解石からなる貝殻はよく保存されているが,アラゴナイトの殻は溶け去っている場合が多い。陸地からの砂泥の供給がほとんどない浅海で堆積したと考えられる。日本にはヨーロッパやアメリカのチョークと同時期の地層は広く分布しているが,チョークと呼べる岩石はない。チョークは白亜とも呼ばれ,白亜紀Cretaceousの名称はチョークのラテン語cretaに由来する。昔は石板や黒板に字を書くのに用いられたが,現在チョークと称して同様に用いられている白墨は焼セッコウを水で練り成型したものなどである。
執筆者:速水 格+徳岡 隆夫
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…黒板などに筆記する用具。チョークともいう。天然にチョーク(白亜)として産する炭酸カルシウムを原料とするものと,石膏(せつこう)を原料とするものがある。…
… pastelの語は〈練り固めたもの〉を意味するパスタpasta(中世ラテン語)から派生した。16世紀末から17世紀初めころに,従来使われてきた白,黒,茶の天然チョークの色数を増すために考案されたが,17世紀を通じてさほど重要視されず,チョーク類を一括してクレイヨンcrayon(フランス語)またはそれに相当する各国語で呼ばれていた。18世紀のフランス宮廷を中心にロココ美術が流行すると,その柔らかく華麗な色調が好まれてパステル画が絵画の一ジャンルとして独立した。…
※「チョーク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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