甲武信ヶ岳(読み)こぶしがたけ

百科事典マイペディア 「甲武信ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

甲武信ヶ岳【こぶしがたけ】

山梨県,埼玉県,長野県の境にある山。甲武信岳とも呼ばれる。標高2475m。秩父山地三国山脈の主稜が合する地にそびえる。山名甲斐(山梨)・武蔵(埼玉)・信濃(長野)3国の境にあることに由来。花コウ岩からなり,荒川,千曲(ちくま)川,笛吹川源流をなす。秩父多摩甲斐国立公園に属し,山梨県の西沢渓谷,長野県川上村から登山路がある。
→関連項目埼玉[県]千曲川日本百名山笛吹川山梨[市]

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改訂新版 世界大百科事典 「甲武信ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

甲武信ヶ岳 (こぶしがたけ)

山梨,埼玉,長野の3県にまたがる秩父山地中央部の山。甲武信岳とも記す。標高2475m。信濃川と荒川の分水界をなす。山名は三方から尾根が集まり握りこぶし状の山容をなしていることによるとも,甲斐,武蔵,信濃の3国の境界をなすことによるともいわれる。秩父多摩国立公園の中心部にあり,森林と渓谷美にすぐれ,登山者が多い。東側の鞍部に甲武信小屋があり,北の十文字峠,東の雁坂峠,西の金峰山の各方面からの登山道が通じる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「甲武信ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

甲武信ヶ岳
こぶしがたけ

甲武信岳ともいう。山梨(甲斐(かい))・埼玉(武蔵(むさし))・長野(信濃(しなの))の県境に位置する秩父山地(ちちぶさんち)の山。標高2475メートル。金峰(きんぷ)山から雲取山までのいわゆる秩父山地の主脈と、群馬県方面から南下する尾根の交わる部分に位置する。山体は花崗(かこう)岩であるが、山頂はこの花崗岩を貫いている玢(ひん)岩や安山岩からなる。山頂の開けた展望と付近のシャクナゲ、ツガ、モミの原生林で知られる。登山路は、主脈の縦走路のほかに、南側の笛吹(ふえふき)川の上流、東沢から沢を登るルートがある。この沢は有名ではあるが一般的でなく、戸渡(とわたり)尾根あるいは鶏冠(けいかん)尾根、長野県側からは千曲(ちくま)林道を登ることもできる。新緑と紅葉時が美しく、秩父の中心ということでも親しまれている。

[吉村 稔]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「甲武信ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

甲武信ヶ岳
こぶしがたけ

山梨,埼玉,長野の3県境にある山。秩父山地の主峰の一つ。山名もこの位置に由来する。標高 2475m。ゆるやかな稜線上に,石英閃緑岩や花崗閃緑岩から成る山頂部が突出。荒川,千曲川,笛吹川の源流地である。コメツガ,シラベ,ダケカンバなどの天然林におおわれ,シャクナゲ,ガンコウランも群生する。北方には信濃と秩父,江戸を結んだ武州道の十文字峠がある。秩父多摩甲斐国立公園に属する。

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事典・日本の観光資源 「甲武信ヶ岳」の解説

甲武信ヶ岳

(山梨県山梨市)
山梨百名山」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の甲武信ヶ岳の言及

【奥秩父】より

…最高点は山梨県側にあり,金峰(きんぷ)山(2598m)や国師ヶ岳(2592m)など2500m級の高峰が集まっている。ここから東方や北方へ向かって高度が低下する山稜が県境となり,埼玉県内最高峰の三宝山(2483m)や甲武信(こぶし)ヶ岳のほか,破不(はふ)山,唐松尾山,大洞山,三峰山のうち雲取山などの2000m級の山が奥秩父山地の主脈をなしてつづく。奥秩父の玄関口にあたる秩父鉄道の終点三峰口駅を拠点とした奥秩父縦走コースは登山者に人気がある。…

※「甲武信ヶ岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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