那須岳(読み)ナスダケ

デジタル大辞泉 「那須岳」の意味・読み・例文・類語

なす‐だけ【那須岳】

栃木県北部にある火山標高1915メートル。茶臼ちゃうす岳。また、連なる三本槍岳・朝日岳・南月山・黒尾谷岳を含めた五岳総称那須山

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精選版 日本国語大辞典 「那須岳」の意味・読み・例文・類語

なす‐だけ【那須岳】

  1. 栃木県北部にある複合成層火山。茶臼岳(一九一五メートル)を主峰とし、朝日岳(一八九六メートル)、三本槍岳(一九一七メートル)、南月山(みなみがっさん)(一七七六メートル)、黒尾谷(くろおや)岳(一五八九メートル)の那須五山と白笹山から成る。茶臼岳は有史以来、八回噴火。那須山。茶臼岳。

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日本歴史地名大系 「那須岳」の解説

那須岳
なすだけ

郡の北端にあり、那須五峰と通称される茶臼ちやうす(一九一七メートル)三本槍さんぼんやり(一九一六・九メートル)朝日あさひ(一八九六メートル)南月山みなみがつさん(一七七五・八メートル)黒尾谷くろおや(一五八九メートル)のほか、白笹しらささ山などの総称で那須火山の主体をなす。那須山ともよばれた。主峰にちなみ茶臼岳とも称する。主峰は那須町にあるが裾野は黒磯市・福島県西白河郡西郷にしごう村・同県南会津みなみあいづ下郷しもごう町にも広がる。茶臼岳は火山帯の最後に形成され複式トロイデ型火山で、現在県下では唯一活動を続けている。応永一五年(一四〇八)一月一八日に噴火し「野州那須山焼崩、同日ニ空ヨリ硫黄降、常州那珂川硫黄ニ成事、五六年也」と記される(東州雑記)。同四年(一説に同一一年)、同一七年にも大噴火を引起したと伝えられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「那須岳」の意味・わかりやすい解説

那須岳 (なすだけ)

栃木県北部,那須町西端に位置する那須火山の主峰。茶臼岳ともいう。標高1915m。日光国立公園に含まれる。北から南にほぼ直線状に三本槍岳(1917m),朝日岳(1896m),那須岳,南月山(みなみがつさん)(1776m),黒尾谷(くろおや)岳(1589m)が並び那須五岳と呼ばれ,南の白笹山(1719m)も含めてその全体を那須火山または那須山という。東と南にすそ野を広げる成層火山で,花コウセン緑岩,石英斑岩,第三紀の凝灰岩や砂岩などを基盤として第四紀に噴出した輝石安山岩などからなる。那須岳はそのうちで形成時期が最も新しい溶岩円頂丘である。有史以来しばしば噴火し,1410年(応永17)3月の爆発は,山崩れや泥流を伴い,死者180人余を出した。20世紀に入ってからも1953年,60年,63年に活動した。西側斜面の爆裂火口噴気孔から常時水蒸気を主とする噴煙を上げている。頂上に直径約100m,深さ20mの火口がある。

 山麓には温泉が多数湧出し,東麓の那須湯本,弁天,大丸(おおまる)などの温泉と西麓の三斗(さんど)小屋温泉,南麓の板室温泉が那須温泉郷を形成している。湯本温泉集落北西に隣接する殺生石は芭蕉の《おくのほそ道》にも記され,今でも硫化水素を放出し温泉が湧出する。この温泉が湯川に流入して,この川を酸性にしている。黒磯駅から那須ロープウェーの山麓駅までバスが通じ,ロープウェー5分で展望台に達し,さらに徒歩40分の登りで那須岳山頂に達する。旭温泉から八幡温泉に至る約1.9kmには那須自然研究路が開かれ,八幡を一周するコースもある。

 江戸時代から大正期にかけて月山(がつさん)(那須岳),毘沙門岳(朝日岳)と那須岳八合目にある温泉湧出地の白湯(はくとう)山(御宝前(ごほうぜん))の3ヵ所を参拝する〈三山掛け〉が行われ,会津中街道に沿う三斗小屋はその宿場として栄え,道端の石碑などに当時の盛況のなごりがみられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「那須岳」の意味・わかりやすい解説

那須岳
なすだけ

那須火山帯の盟主である那須火山群の主峰。別名茶臼岳(ちゃうすだけ)ともいい、標高1915メートル。栃木県北部の那須町西端にある。北―南に並ぶ三本槍(やり)岳(1917メートル、最高峰)、朝日岳、那須岳、南月(なんげつ)山、黒尾谷(くろおだに)岳の那須五岳と、さらに南の白笹山(しろざさやま)を含めて那須山とよび、花崗閃緑(かこうせんりょく)岩、石英斑(はん)岩や第三紀の凝灰岩や砂岩などを基盤とするおもに輝石安山岩からなる第四紀の成層火山。那須岳は溶岩円頂丘で、諸峰中でもっとも新しく、有史以後の8回の噴火(最古は1397年、最新は1963年)は那須岳に限られる。すべて爆発型噴火で、とくに1410年(応永17)の大噴火では、噴石・山崩れ・泥流で、死者180余人を出した。中央火口丘の内外に硫気孔が多く、西側斜面の爆裂火口「無間(むげん)地獄」はとくに活発である。東側山麓(さんろく)の硫気孔群「殺生石(せっしょうせき)」も著名である。山腹・山麓は温泉に富み、昔から湯治場として栄えてきたが、近年は観光開発が進んだ。JR東北新幹線那須塩原駅、東北本線黒磯(くろいそ)駅から那須岳山麓駅までバス。ロープウェーで3分、さらに徒歩約40分で登頂できる。1950年(昭和25)に日光国立公園に編入された。

[諏訪 彰]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「那須岳」の意味・わかりやすい解説

那須岳
なすだけ

栃木県北部,那須火山帯に属する那須火山群の主峰。活火山で,常時観測火山。茶臼岳ともいう。標高 1915m。複式(→複式火山)のコニトロイデ型(→成層火山溶岩円頂丘)の火山で,山頂部には直径 100mの火口がある。西側山腹に爆裂火口があり,噴気孔付近には硫黄が昇華している。応永17(1410)年の噴火では死者 180人余が出た。南東に延びる裾野は那須高原と呼ばれ,那須湯本温泉などがあり,夏の登山,避暑,冬のスキーの拠点になっている。日光国立公園に属する。

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百科事典マイペディア 「那須岳」の意味・わかりやすい解説

那須岳【なすだけ】

栃木県北端,那須火山列に属する成層複式火山。主峰は溶岩円頂丘茶臼岳で,標高1915m,山頂に火口があり,西側の爆裂火口は現在も噴気を上げており,活火山として気象庁が観測を続けている。第三紀層を基盤とし,安山岩からなる。古くから信仰の山で,修験(しゅげん)の行場であった。山頂付近までロープウェーがある。裾野(すその)の那須高原には那須温泉郷がある。那須岳と周辺の朝日岳,三本槍岳,南月山,黒尾谷(くろおや)岳を那須五岳という。
→関連項目那須[町]日光国立公園日本百名山

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事典・日本の観光資源 「那須岳」の解説

那須岳

(栃木県那須郡那須町)
とちぎの景勝100選」指定の観光名所。

那須岳

(栃木県)
日本百名山」指定の観光名所。

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