C16H34(226.45).CH3(CH2)14CH3.ヘキサデカンともいう.脂肪族飽和炭化水素(パラフィン族)の一つ.炭素数16のアルカンのうち,直鎖状のものをとくにセタンという.異性体と対比して正ヘキサデカン,n-ヘキサデカンともよばれる.原油に含まれる.製法は,ヨウ化セチルをエタノールまたは酢酸中で亜鉛と塩酸を用いて還元するか,パルミチン酸をヨウ化水素と赤リンとともに加熱する方法と,軽油留分から分留する方法とがある.低温では無色の結晶性固体,常温では無色の液体.融点16.17 ℃,沸点286.79 ℃.0.76996.1.43250.エタノール,アセトン,エーテルに可溶,水に不溶.ディーゼル燃料の発火性を示すセタン価を測定するための標準燃料(セタン価 = 100)であり,すぐれたディーゼル燃料の一成分である.ほかに溶剤としても用途がある.[CAS 544-76-3]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
炭素数16個のアルカン(脂肪族鎖式飽和炭化水素)。IUPAC名はヘキサデカンhexadecane。化学式C16H34。無色の結晶で,融点18.165℃,沸点286.793℃。水に不溶,エーテル,エチルアルコールにはよく溶ける。ヨウ化セチルCH3(CH2)14CH2Iまたはパルミチン酸CH3(CH2)14COOHの還元で得られる。ディーゼル燃料のセタン価を求める際の標準燃料。
執筆者:中井 武
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
セタン
CH3(CH2)14CH3
分子式 C16H34
分子量 226.4
融点 18.165℃
沸点 286.793℃
比重 0.77387(測定温度20℃)
屈折率(n) 1.43453
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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