セタン(読み)せたんでーたのーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セタン」の意味・わかりやすい解説

セタン(データノート)
せたんでーたのーと

セタン
CH3(CH2)14CH3
分子式C16H34
分子量226.4
融点18.165℃
沸点286.793℃
比重0.77387(測定温度20℃)
屈折率(n) 1.43453

セタン
せたん
cetane

炭素数16個のアルカンのうち直鎖状のものをいい、命名法ではヘキサデカンという。セテン水素添加、あるいはパルミチン酸ヨウ化水素赤リンで加熱、還元して合成する。温アルコール、エーテル可溶。水に不溶。ディーゼル燃料発火性良否を示す指数であるセタン価を測る標準物質である。ほか溶剤としても用いられる。

[佐藤武雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セタン」の意味・わかりやすい解説

セタン
cetane

化学式 CH3(CH2)14CH3メタン系炭化水素一種で,ヘキサデカンともいう。融点 18.1℃,沸点 278℃。パルミチン酸をヨウ化水素と赤リンで還元して得られる。ディーゼルエンジンに対してアンチノック性が大きいので,標準物質として用いられる。セタンのセタン価を 100,α- メチルナフタリンのセタン価を0としてセタン価を表わす。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android