精選版 日本国語大辞典「ぞくぞく」の解説
ぞく‐ぞく
〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 嬉しさに心が浮きたつさまを表わす語。うきうき。
※狂歌・古今夷曲集(1666)七「堅紅粉(かたべに)のこいと仰の文みればぞくぞくしてぞ嬉しかりける」
※浄瑠璃・源平布引滝(1749)五「いで打立んと御悦び。兼任ぞくぞく小踊し」
② 極度の緊張・感情のたかぶりなどで、身のふるえをおぼえるさまを表わす語。
※浮世草子・色の染衣(1687)二「いかな御僧もふどしのうごくやうなぞくぞくするはなしなれど」
※浄瑠璃・孕常盤(1710頃)四「お姫様も我々も鏡で見たは仕合、直に見たらば今比は気付が入るで有うと、ぞくぞくすれば」
④ 寒くて身のふるえるさま、病気などで悪寒の走るさまを表わす語。
※仮名草子・片仮名本因果物語(1661)下「此又八郎土山へ行、酒に酔て皈(かえ)るに、路にて粟々(ゾクゾク)として煩付、気違の様に為」
⑤ 物を刻み切る音、また、そのさまを表わす語。ぞきぞき。
※真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉一二「着物の上からゾクゾク肋へかけて切り込みましたから、お園は七転八倒の苦しみ」
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