ツングースカ大爆発(読み)ツングースカダイバクハツ(その他表記)Tunguska event

デジタル大辞泉 「ツングースカ大爆発」の意味・読み・例文・類語

ツングースカ‐だいばくはつ【ツングースカ大爆発】

1908年、ロシア帝国領のシベリア中央部、エニセイ川の支流ポドカメンナヤツングースカ川の上流部の上空で起こった大爆発直径100メートル程度の彗星が落下し、大気中で爆発したものと考えられている。多く樹木がなぎ倒され森林火災が起きたが、周囲村落がなかったため、死傷者はいなかった。ツングースカ事件

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツングースカ大爆発」の意味・わかりやすい解説

ツングースカ大爆発
ツングースカだいばくはつ
Tunguska event

1908年6月30日午前7時40分頃,ロシアシベリアを流れるポドカメンナヤトゥングスカ川付近(北緯60°55′,東経101°57′)の上空 5~10kmで起こった大爆発。周辺約 2000km2の地上にあるものすべてがなぎ倒され,100km2以上の針葉樹林黒焦げになった。爆発に続いてヨーロッパ各地の上空でかなり大きな夜光雲が観測されたという当時の記録から,爆発は彗星によって引き起こされたという意見もあるが,おそらく直径が 50~100mほどの,石か炭素質の小惑星(巨大な流星隕石〉)によるものであったことが,科学者たちによって確認されている。地表のはるか上空の大気圏で爆発したため,火球爆風が生じたが衝突クレータは残らなかった。大爆発の放射エネルギー森林を燃え立たせるには十分であったが,あとに続いた爆風がすぐに火を消し止めたと考えられる。爆発現場は僻地で,1927~30年科学者レオニード・クーリック率いるソビエト連邦の調査団が初めて現地を調査した。爆心付近 15~30kmにわたって木々はすべて倒れ,あらゆるものが破壊され,焼け焦げていた。爆発から 20年を経てもなお,あたりはほとんどなにも生えない不毛の地であった。目撃者たちによれば,火の玉が地平線を照らし出すと,人間は強烈な熱風に吹き飛ばされ,建物地震のときのようにゆれたという。西ヨーロッパ各地の地震計には爆発による震動が記録された。大爆発は当初 800km離れたところからも見えた。爆発した物体気化して大気圏中に放出されたため,シベリアやヨーロッパではその後もしばらくは異常なまでに明るい夜空が観測された。

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