精選版 日本国語大辞典 「三山」の意味・読み・例文・類語
さん‐ざん【三山】
みつ‐やま【三山】
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14世紀から15世紀初期の沖縄に存在した三つの小国家の総称。沖縄本島の北部一帯に山北(さんほく)(または北山(ほくざん))が、中部地方に中山(ちゅうざん)が、南部地方に山南(さんなん)(南山(なんざん))が鼎立(ていりつ)し抗争を繰り返していた。
12世紀前後から沖縄では按司(あんじ)とよばれる首長が登場し、それぞれ政治的地域小単位を形成して、相互に対立を繰り返すようになった。この争乱のなかから、より強大化した按司が出現し、他の按司を従属させて広域的な勢力圏を構築するようになる。やがて沖縄本島を中心に三つの小国家に集合されたが、山北の拠点は今帰仁(なきじん)城、中山の拠点は浦添(うらそえ)城(のちに首里(しゅり)城)、山南の拠点は島尻大里(しまじりおおざと)城であった(山南は内部抗争の結果、島添(しまそえ)大里城に拠点が移ったこともあるという)。1372年に中山王察度(さっと)が明(みん)に入貢して外交・交易関係を樹立すると、他の二山もただちに同様の関係を樹立して抗争を続けた。83年、明の太祖洪武帝(こうぶてい)は使臣を遣わして、対立をやめるよう三王に説諭したが、やまなかった。1406年、ダークホースのように登場する佐敷(さしき)按司尚巴志(しょうはし)は中山を攻略して覇権を手中にすると、16年には山北を、29年には山南を滅ぼして沖縄を統一し、琉球(りゅうきゅう)王国を発足させた。三山鼎立の時代を沖縄歴史では三山時代とも称している。
[高良倉吉]
『高良倉吉著『琉球の時代』(1980・筑摩書房)』
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