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アントラセン anthracene

翻訳|anthracene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アントラセン
anthracene

昇華性の結晶。融点 218℃。コールタールから見出された縮合環式炭化水素。水に不溶,アルコール,エーテルベンゼンなどの溶媒にかなり溶ける。誘導体アントラキノンアリザリンなどがある。染料原料として使用される。

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百科事典マイペディアの解説

アントラセン

無色針状結晶。融点216.2℃,沸点342℃。水に不溶,有機溶媒に可溶。酸化すればアントラキノンとなる。コールタールのアントラセン油から得られる。アリザリンなどのアントラキノン系染料,カーボンブラック,なめし剤などの原料や防虫剤としての用途がある。
→関連項目染料タール染料

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世界大百科事典 第2版の解説

アントラセン【anthracene】

三つの環から成る芳香族炭化水素の一つ。1833年にJ.B.A.デュマがコールタール中から単離したもので,ギリシア語の石炭を意味するanthrasに起源・出所を示す接尾辞eneをつけて命名された。純品は,エチルアルコールから再結晶したものは板状結晶,ベンゼンから再結晶したものは針状結晶で,いずれも無色の結晶であるが紫色の蛍光を有する。融点216.2℃,沸点342℃,水には溶けず,エチルアルコール,メチルアルコール,ベンゼン,クロロホルムのそれぞれに同じ程度溶ける。

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大辞林 第三版の解説

アントラセン【anthracene】

コールタール中に含まれる芳香族の高級炭化水素。化学式 C14H10 蛍光性をもつ無色の針状結晶。染料やカーボン-ブラック・なめし剤の原料、防虫剤・ポリエチレンの安定剤に用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アントラセン
あんとらせん
anthracene

代表的な三環式芳香族炭化水素。紫の蛍光を発する無色板状結晶。
 工業的にはコールタールの高沸点留分(アントラセン油)からフェナントレン、カルバゾールとともに得られる。異性体のフェナントレンよりも反応性が大きく、9、10位での付加反応や置換反応がおこりやすい。たとえばニトロ化、ハロゲン化もこの位置におこり、付加体と置換体の混合物を与える。無水マレイン酸とのジエン合成も9、10位でおこる。また光照射で二量体(パラアントラセン)を与える反応が古くから知られている。還元によって容易に9,10-ジヒドロアントラセンを生成する。アントラセンの接触空気酸化はアントラキノンの工業的製造法であり、アントラキノン系染料(アリザリン、インダンスレンなど)の合成原料となる。[向井利夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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