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キログラム原器 キログラムげんきprototype kilogram

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

キログラム原器
キログラムげんき
prototype kilogram

メートル法質量の単位キログラムを定義する人工基準器。国際キログラム原器はパリ郊外セーブルの国際度量衡局に保管された白金-イリジウム合金製の円柱形の分銅である。この合金は酸化などの化学変化や摩滅などの物理作用に耐える材質として選ばれた。円柱は表面積が最小になるように高さと直径がともに約 39mmで,上下のかどが少しすり落されている。 1799年パリの科学アカデミーがメートル法創設作業の成果として作製した最初のキログラム原器は,最大密度の水1 dm3 と同じ質量の白金製の分銅であった。この原器はアルシーブ (記録保存所) に保管され,アルシーブ原器と呼ばれている。 1875年メートル条約の成立に伴って新しい原器がつくられることになった。当時すでにアルシーブ原器が1 dm3 の水の質量より 27mg程度も大きいことが知られていたが,この原器から出発することに決められた。 1879年白金-イリジウム合金製の新しい分銅 K1,K2,K3 がつくられ,そのなかで質量がアルシーブ原器に最も近い K3 が国際キログラム原器に指定された。これを 1kgとして 1885年に 40個の原器がつくられた。 1889年第1回度量衡総会で国際キログラム原器および他の原器が承認された。 K1,K2 および 40個のうちのいくつかは証器として原器とともに国際度量衡局に保管され,ほかはメートル条約加盟国に配布されて各国原器とされ,現在にいたっている。日本国キログラム原器は No.6と呼ばれ,産業技術総合研究所計量標準総合センターに保管されている。

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デジタル大辞泉の解説

キログラム‐げんき【キログラム原器】

メートル条約に基づき、1キログラムの質量をもつと選定された標準分銅。白金90パーセント、イリジウム10パーセントの合金製の直径・高さとも約39ミリメートルの円柱体。国際度量衡局に保管される。条約加盟各国にはこれと同じ構造のものが配られ、日本では産業技術総合研究所に保管。国際キログラム原器。→キログラム国際原器

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百科事典マイペディアの解説

キログラム原器【キログラムげんき】

質量単位のキログラムを定義,表示する分銅。メートル条約により,パリ郊外セーブルの国際度量衡局に保管されている国際キログラム原器の質量が1kgと定義される。日本に交付された原器No.6の質量は1kgより0.170mg大きく,通産省工業技術院計量研究所に保管。
→関連項目キログラム原器

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世界大百科事典 第2版の解説

キログラムげんき【キログラム原器 Prototype Kilogramme】

メートル法の質量の単位キログラムの大きさを示す標準器。メートル法を国際的な度量衡単位系にするために,1872年の国際メートル委員会の決議に基づいて80年に製作され,89年の第1回国際度量衡総会で質量の国際原器として承認された。その質量が厳密に1キログラムである。10%のイリジウムを含む白金イリジウム合金で作られた直径と高さがほぼ等しく約39mmの円柱型の分銅で,上下の周縁部がわずかに丸められており,記号はつけられていない。

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大辞林 第三版の解説

キログラムげんき【キログラム原器】

メートル条約により、その質量を1キログラムと定義されている原器。高さ・直径とも39ミリメートルの円柱形の白金・イリジウム合金で、パリの国際度量衡局に保管されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

キログラム原器
きろぐらむげんき

メートル法の基本単位である1キログラムの質量を現示する最高の標準器。パリの国際度量衡局に保管されているものを国際キログラム原器といい、この質量が1キログラムと約束されている。これは、1875年のメートル条約成立によってつくられた原器のなかから選定されたもので、1889年の第1回国際度量衡総会で決定された。直径と高さがそれぞれ39ミリメートルの円柱形分銅で、材質は白金90%、イリジウム10%の合金である。国際キログラム原器と同形同材質のものが、メートル条約加盟国その他に配られていて、国際原器との器差を補正して用いている。これらの原器は定期的に国際度量衡局で国際原器との比較が行われる。
 日本の原器は6という番号のもので、当初は国際原器より0.170ミリグラムだけ大きかった。独立行政法人産業技術総合研究所(つくばセンター)の計測標準研究部門に保管されている。
 現在は国際単位系(SI)の七つの基本単位のうち、キログラムのみが人工物により定義されている。しかしながら、最近の計測技術の進歩をとり入れれば、ほとんどの基本単位を、プランク定数、アボガドロ定数、ボルツマン定数などの基礎物理定数をもとに定義することの可能性が議論されてきた。そして、2011年の第24回国際度量衡総会において、その方向性が審議・決議された。それによれば、キログラムは、プランク定数をもとに定義する方向で各国の計量標準研究所が精密な実験を進めるように要請された。これに基づき、2014年の第25回国際度量衡総会においても、引き続きSIの基本単位の定義の変更の方向性が議論されたが、キログラムを含む定義の変更の決定は次の2018年の第26回国際度量衡委総会以降に持ち越された。定義が変更されても、基礎物理定数を各国が測定することは合理的ではなく、実際のキログラムの国際計量標準は、白金・イリジウム製、ステンレス鋼製、石英製などの複数の標準器群により群管理することが考えられており、現在の優れたてんびんの技術は維持されるであろう。[小泉袈裟勝・今井秀孝]

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