メートル法の質量の単位キログラムの大きさを示す標準器。メートル法を国際的な度量衡単位系にするために,1872年の国際メートル委員会の決議に基づいて80年に製作され,89年の第1回国際度量衡総会で質量の国際原器として承認された。その質量が厳密に1キログラムである。10%のイリジウムを含む白金イリジウム合金で作られた直径と高さがほぼ等しく約39mmの円柱型の分銅で,上下の周縁部がわずかに丸められており,記号はつけられていない。0℃における体積は46.00014cm3±0.00014cm3,比重は21.55148±0.00007である。地金の成分は,白金Pt89.90%,イリジウムIr10.09%,ロジウムRh痕跡,鉄Fe0.01%,過剰分0.02%であった。
この原器は,メートル条約の定めに基づき,89年以降国際度量衡局に保管されており,質量を安定に保つためほとんど使用されず,通常の検査には6個の参照原器が使われる。これまでの検査で原器が参加したのは1939年,46年の2回である。メートル条約加盟国には規定の範囲内で国際原器と同型・同質の複製原器が配布された。日本国キログラム原器(No.6)は通商産業省の計量研究所に保管され,46年の値は1.000000169kg。
執筆者:三宅 史
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