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クック くっくJames Cook

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クック(James Cook)
くっく
James Cook
(1728―1779)

イギリスの海軍軍人、探検航海者。キャプテン・クックとして知られる。ヨークシャーの小作人の子に生まれる。水夫生活ののち、1755年海軍に入った。七年戦争中、カナダで敵フランス軍の面前で危険な水深測量を敢行し、上官に認められた。その後、測量術のほか、天文学、幾何学などを学び、68年学士院により金星の太陽面通過観測のための調査隊員に選ばれ、エンデバー号艦長として調査隊を率いてタヒチ島に赴き、観測を成功させた(1769)。さらにニュージーランド、オーストラリア東岸、ニューギニア南東岸などを探検し、西回りに世界を周航して、71年帰国。翌年、レゾリューション号とアドベンチャー号を率いて第2回周航に出帆、南航して南極圏に達し、当時一部に信じられていた南方の「未知の大陸」テラ・アウストラリス・インコグニタTerra Australis Incognitaが実在しないことを立証した。そのあとニュー・カレドニア、ソロモン諸島など、太平洋の多くの島を訪れ、東回りに周航して、75年帰国。76年レゾリューション号とディスカバリー号を率いて三たび出航、ニュージーランドから北上してサンドイッチ諸島(ハワイ諸島)に至り、さらに北上を続けて北アメリカ西岸からベーリング海峡の北に達した。のちサンドイッチ諸島に引き返したが、同地で住民に襲われ、79年2月14日非業の死を遂げた。彼は優れた船乗りであっただけでなく、ニュージーランドやオーストラリア東岸などの精密な地図を作成し、また長年船員の職業病とされてきた壊血病の予防に成功するなど、優れた科学者でもあった。[松村 赳]
『クック著、荒正人訳『太平洋航海記』(1971・社会思想社・現代教養文庫) ▽アリステア・マクリーン著、越智道雄訳『キャプテン・クックの航海』(1982・早川書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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