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クワ(桑) クワMorus bombycis; mulberry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クワ(桑)
クワ
Morus bombycis; mulberry

クワ科の落葉高木で,葉を養蚕に用いるため多くは畑や山地に栽植されている。雌雄異株で,雌木には熟すると黒紫色になる集合果がつく。実は甘ずっぱく食用となる。山地に自生するものをヤマグワという。材は狂いが少く家具材となる。桑園は畦間 2m,株間 0.5mぐらいで,10aあたり 1000本程度植えたものが多い。畦間,株間を詰めて 10aあたり 2000~3000本植えた桑園を密植桑園といい,短期間で完成桑園になり,収穫量も多く条も細いので,バインダー式の小型桑刈り機が使えるが,造成に多量の苗を要することと,葉肉が薄くしおれやすい欠点がある。収穫や管理を容易にし,収穫量を増加させ,適期に収穫できるように,樹高を低くし,樹形を整えるのが仕立てで,幹の高さ 50cm以下を根刈り仕立て,50~150cmを中刈り仕立て,2m以上を高刈り仕立てという。株を剪定するとき,毎年芽を残さず刈取る株は拳式となり,枝の基部の一部を残して刈取りを続けると株は年々高くなって無拳式となる。一定の剪定をせずに随時収穫するものを立通しという。

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百科事典マイペディアの解説

クワ(桑)【クワ】

クワ科の落葉樹。日本の山野に自生するヤマグワは高木となるが,養蚕用の栽培グワは年々枝を刈り取るので低木状となる。葉は一般に卵形または心臓形でしばしば3〜5裂し,穂状花序に単性花をつける。
→関連項目雌雄異株

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世界大百科事典 第2版の解説

クワ【クワ(桑) mulberry】

クワ科クワ属の植物の総称。葉はカイコ飼料として用いられるが,果実は食用になる。低~高木性の落葉樹であるが,温暖地では常緑的になる。葉は切葉と丸葉がある。花は雌花と雄花にわかれるが,小花が集まって花穂をつくる。風媒花であり,受精した雌花穂は白色または濃赤色の果実となる。春に伸長した枝は緑色であるが,秋になると灰色,褐色など種類に固有の色となる。根は直根性である。 カイコの飼料として養蚕に利用されるのがクワの最も重要な用途であるが,葉は桑茶を作るのにも用いられる。

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世界大百科事典内のクワ(桑)の言及

【生糸】より

…カイコ(蚕)の作る繭層から繭糸を解離し,数本以上の繭糸を抱合させつつ繰糸して得た連続する1本の糸で,撚糸(ねんし)や精練などの加工をしないものをいう。玉繭を繰った糸を玉糸というが,広義の生糸には玉糸を含めるが狭義の場合には含めない。
[種類]
 生糸は原料の繭色によって白繭糸(白糸ともいう)と黄繭糸(黄糸ともいう)に大別されるが,現在一般に飼育されている蚕品種の繭色は白であり,大部分の生糸は白繭糸である。…

【毛染】より

…頭髪を染めることを目的として,古来さまざまな化粧品,染毛剤が用いられてきた。古代エジプトでは黒い牡牛などの血を使った白髪染や,(かつら)を染めることも行われていた。古代ギリシア・ローマではブロンドの髪が好まれ,羊の脂とブナの木の灰を混ぜた〈サポ〉をすり込み,洗い落としたあと,太陽にさらして金髪になるのを待ったという。黒や褐色に染めるためには,古くからヘンナの葉,カミツレの花,クルミの殻,ビンロウジュの実などが用いられていた。…

【採苗】より

…(1)養蚕の分野ではクワの苗木を育成することをいう。クワは有性繁殖も無性繁殖も可能であるが,有性繁殖の場合,クワは遺伝的に雑種の状態であるので,種子から育成した苗木の形質はさまざまとなる。…

【農業】より

…農業とは,土地を利用して作物の栽培または家畜の飼養を行い,人間にとって有用な生産物を生産する経済活動であり,そのような活動を行う産業である。人間に有用な農業生産物は食糧と一部の工業原料であるが,農業はそれらを,土,水,太陽エネルギーなどの自然力を利用して作物として生産し,また家畜を繁殖,肥育させることによってそれを生産する。このような農業の産業としての特質は,第1に,土地を基本的な生産手段とし,またその土地を商工業などの他産業と比較して,広い面積にわたって相対的に粗放に利用することであり,第2に,人間が長い年月をかけて育成し,または馴らしてきた高等動植物を対象(もしくは手段)とする,有機的生産であることである。…

【ピュラモス】より

…バビロンの都を舞台にした悲恋物語の主人公。ローマ詩人オウィディウスの《転身物語》で名高い。親たちに結婚を許されなかったピュラモスと隣家の娘ティスベThisbēは,両家を隔てる壁の割れ目を通じて,ひそかに恋をささやきあって日を過ごしていたが,ついに二人は駆落を決意し,人が寝静まったころ,ニノス王の墓に近い桑の木の下で落ち合うことにした。ところがティスベが約束の場所に来たとき,不意にライオンが現れたため,彼女はベールを捨てて逃れ,ライオンは獲物をくらったばかりの口でそれを引き裂いて去った。…

【扶桑】より

…搏桑とも書く。中国神話にみえる太陽の昇る木。《山海経(せんがいきよう)》海外東経に,〈湯谷の上に扶桑あり,十日の浴する所〉〈大木あり。九日下枝に居り,一日上枝に居る〉とあって,十日が順次この木から天路に上るとするが,馬王堆第1号漢墓(馬王堆漢墓)出土の帛画(はくが)にみえる。太陽の降る木を若木といい桑樹。桑は神木とされ,禹(う)には台桑,伊尹(いいん)にも空桑の説話がある。扶桑は東海の海上にあるとされ,のち日本の異名となった。…

【民間療法】より

…医師の資格をもたない一般人が,もっぱら伝統的な知識にもとづいて行う治療。風邪のときの卵酒,いぼとりなど,一般に家庭内で行われるものが多く,これらは素人療法,家庭医療などともいわれるが,広義には磁気や電子機器を用いた療法,断食療法など特殊な食事療法,またこれらを組み合わせたものなどをも含めたものをいう。また,日本では明治以後,西洋医学が主流となり,漢方医学は医療類似行為として,医療行政や医学教育から排除され,その結果,民間で細々と実施されるにすぎなくなったことから,鍼灸(しんきゆう)やあんま(按摩)など漢方医学的治療も民間療法とされてきた。…

【養蚕】より

…クワを栽培し,そのクワでカイコ(蚕)を飼育し,繭を生産すること。人類は農業が始まる以前,山野に自然にできたものを採って食糧や衣類などの原料にしていた。…

※「クワ(桑)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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