グラバー(英語表記)Glover, John

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

グラバー
Glover, John

[生]1817
[没]1902
イギリスの化学技術者。 1859年に,鉛室法による硫酸製造において酸化窒素の再生を可能にするグラバー塔 (グローバー塔) を発明した。

グラバー
Glover, Thomas Blake

[生]1838.6.6. イギリス
[没]1911.12.16. 東京
幕末から明治初期にかけて日本で活躍したイギリスの商人。安政6(1859)年に上海から長崎(→長崎市)に渡来し,文久1(1861)年大浦グラバー商会を設立して海産物の輸出を始めた。薩摩藩長州藩との関係が特に深く,武器や船舶などを販売して会社を発展させた。イギリス留学生派遣の仲介も行ない,文久3(1863)年に長州藩の伊藤博文ら 5人,慶応1(1865)年には五代友厚森有礼ら 15人の薩摩藩の密航留学生の渡欧を支えた。慶応年間(1865~68)にはイギリス公使ハリー・スミス・パークスに情報を提供して現地当局とも密接な関係を保った。グラバー商会は経営悪化のため明治3(1870)年に破産。その後は三菱の顧問として高島炭鉱の経営に携わる。日本人を妻に迎え,「倉場」という日本姓を名のった。グラバーの居住していた旧グラバー住宅は,1961年国の重要文化財に指定され,2015年世界遺産の文化遺産に登録された。

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百科事典マイペディアの解説

グラバー

英国の貿易商。1859年長崎に来日。1861年グラバー商会を設立し,はじめ日本茶などを輸出していたが,のち西南雄藩ほか幕府諸藩に武器弾薬,軍艦を売り巨利を収めた。また五代友厚ら薩摩(さつま)鹿児島藩のイギリス留学生を仲介,薩英提携,薩長同盟成立にも重要な役割を果たし,佐賀藩に高島炭鉱の採掘資金を貸し付けたり,長崎造船所(のち三菱造船所)の前身小菅ドックの設立にも参画した。長崎市南山手町に〈グラバー邸〉が伝存。
→関連項目長崎[市]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

グラバー Glover, Thomas Blake

1838-1911 イギリスの商人。
1838年6月6日生まれ。倉場富三郎の父。安政6年(1859)来日。長崎にグラバー商会を設立し,日本茶の加工輸出から武器,艦船の輸入へと業務を拡大。鹿児島藩留学生のイギリス派遣をたすけ,薩英提携,薩長同盟の成立に協力。明治3年破産し,以後三菱の顧問として高島炭鉱の経営などに関係した。明治44年12月16日東京で死去。73歳。スコットランド出身。

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世界大百科事典 第2版の解説

グラバー【Thomas Blake Glover】

1838‐1911
イギリスの貿易商。スコットランドのフレーザーバラ生れ。父はイギリス沿岸警備隊一等航海士アバディーンギムナジウムに在学した後,上海を経て,1859年(安政6)9月19日長崎に来日。61年5月にグラバー商会を設立し,ジャーディン・マセソン会社の代理店もかねた。設立当初はおもに日本茶を輸出したが,64,65年ころより薩摩,佐賀,土佐,熊本等西南雄藩をはじめ幕府諸藩への艦船武器類の販売を中心に発展し,上海にも支店をもつ長崎最大の貿易商となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

グラバー
ぐらばー
John Glover
(1817―1902)

イギリスの化学技術者。鉛室法による硫酸製造におけるグラバー塔を発明した。1847年ころより、含硝硫酸からの窒素酸化物と硫黄(いおう)酸化物との分離を考え始め、1859年ダーラム州ウォルゼンドにこれをグラバー塔として実現した。グラバー塔は一般に、幅3~5メートル、高さ1~13メートルの鉄骨または鉛張りの塔で、内張りには耐酸石が施され、充填(じゅうてん)材には耐酸れんがが使用される。この発明により酸化窒素の再生と硫酸の生成が円滑に進むようになったが、操業上の改良がなされた1864年以後は、さらに硫酸の濃縮器としても利用された。グラバー塔は、ゲイ・リュサック塔とともに窒素酸化物の触媒としての役割を認識した成果であり、この両者の発明により鉛室法を使った硫酸製造の全工程の循環化、連続化が完成の域に到達した。それ以後、時代の要請であったチリ硝石の節約量は多大なものになった。[矢木哲雄]

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20世紀西洋人名事典の解説

グラバー


グローバーを見よ。

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367日誕生日大事典の解説

グラバー

生年月日:1838年6月6日
イギリス商人
1911年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典内のグラバーの言及

【高島炭田】より

…高島の石炭は元禄年間(1688‐1704)から採掘されていたとされるが,文化年間(1804‐18)の末年から佐賀本藩の直営になった。1868年(明治1)藩主鍋島直正(閑叟)の命によってその臣松林源蔵が調査にあたり,長崎のイギリス人T.B.グラバーと佐賀藩との共同企業が設立され,洋式炭鉱の開発に着手し,69年採炭を開始した。日本における近代的炭鉱の始まりである。…

※「グラバー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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