デジタル大辞泉 「サンピエール」の意味・読み・例文・類語
サンピエール(Saint-Pierre)
西インド諸島東部、フランス海外県のマルティニーク島の町。同島北西岸に位置する。17世紀に建設。1902年にプレー山の噴火により壊滅的な被害を受けるまで同島の首都だったが、噴火後、フォール‐ド‐フランスに移された。火山博物館、地学研究所、製糖工場などがある。
フランスの聖職者,著作家。1695年にフランス・アカデミー会員に選出される。1712年ポリニャック枢機卿に従って,スペイン継承戦争を終結させるためのユトレヒト会議に出席し,これを契機に《ヨーロッパ恒久平和》全3巻を執筆・刊行した(1713-17)。彼はこのなかで〈諸国民の最高法廷〉設置の必要を説き,この法廷の権威によって人類から戦争の害悪を除こうと意図した。この書は,ルソー,カントをはじめとする後の平和論者に大きな影響を与えている。次いで18年には,《複数会議制論》を発表し,行政権は,国王に直属する大臣にではなく,より民主的な形態として,複数の選挙された議会にゆだねられるべきむねを説いた。しかしこの意見はルイ14世の権力集中体制に向けられた明確な批判であったため,フランス・アカデミーから追放された。彼は,アラリ神父,ダルジャンソン侯爵と共に,1720年代の啓蒙的知識人の集りである〈中二階クラブ〉の創設に参加している。
執筆者:中川 久定
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フランスの聖職者で政治思想家。1695年にはティロンの修道院長になり、アカデミーの会員に推薦される。1712年枢機卿(すうききょう/すうきけい)ポリニャックに随行してユトレヒト平和会議に出席、そのときの体験をもとに『永久平和の草案』3巻(1713~1717)を書く。自然法だけでなく実定法たる国際法によって列国君主による国際平和機構の設立、国際裁判所の設置、国際軍の設立、戦争放棄などを主張し、ルソーやカントなどの平和思想に大きな影響を与えた。1718年に『ポリシノディ』(多元的会議制論)を著し、ルイ14世の専制政治を批判し、貴族らからなる多元的会議制による啓蒙(けいもう)専制統治を主張したためアカデミーを除名された。
[田中 浩]
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