トリクロロエチレン(読み)とりくろろえちれん(その他表記)trichloroethylene

デジタル大辞泉 「トリクロロエチレン」の意味・読み・例文・類語

トリクロロエチレン(trichloroethylene)

エチレン水素原子3個を塩素原子で置き換えた化合物芳香のある無色液体溶剤ドライクリーニング殺虫剤などに用いる。有毒。化学式C2HCl3 トリクレン

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精選版 日本国語大辞典 「トリクロロエチレン」の意味・読み・例文・類語

トリクロロエチレン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] trichloroethylene ) クロロホルムに似た匂いの無色の液体。化学式は C2HCl3 不燃性。エチレンを塩素で処理して作られる。溶剤、脱脂、消火剤、殺虫剤、駆虫剤、ドライクリーニングなど用途は広い。トリクレン。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリクロロエチレン」の意味・わかりやすい解説

トリクロロエチレン
とりくろろえちれん
trichloroethylene

エチレンCH2=CH2の水素原子3個を塩素原子で置き換えた化合物。正しくは1,1,2-トリクロロエテンというが、一般的にトリクロロエチレンといわれている。クロロホルムに似たにおいの無色の液体。1,2-ジクロロエタン塩化エチレン)の塩素化により得たテトラクロロエタン高温で脱塩化水素するか、1,2-ジクロロエタンをオキシ塩素化し副生するテトラクロロエチレンと分けるかして工業的に製造される。水には溶けず、エタノールエーテルに溶ける。光、水分により徐々に分解されるので、通常安定剤が入っている。不燃性で金属を侵さず、蒸気洗浄、浸漬(しんし)洗浄に適しており金属脱脂剤として、またゴム、油脂、プラスチックなどの溶剤として多く用いられてきた。しかし有害物質に指定され、厳しい法的規制が実施されたため、徐々に使われなくなっている。蒸気は有害である。

[谷利陸平]

『廃棄物研究財団編、厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室監修『トリクロロエチレン等処理マニュアル』(1993・化学工業日報社)』


トリクロロエチレン(データノート)
とりくろろえちれんでーたのーと

トリクロロエチレン

 分子式 C2HCl3
 分子量 131.4
 融点  -88.0℃
 沸点  88.6℃
 比重  1.4556(測定温度25℃)
 屈折率 (n)1.4782

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百科事典マイペディア 「トリクロロエチレン」の意味・わかりやすい解説

トリクロロエチレン

化学式はCHCl=CCl2。クロロホルム臭のある無色の液体。融点−86℃,沸点87.2℃。水に不溶。溶剤,ドライクリーニング,金属の脱脂清浄剤などに利用。エチレンの塩素化などにより得られるテトラクロロエタンを経てつくる。トリクレンは商品名。
→関連項目化学物質審査規制法工業中毒地下水汚染バイオ・レメディエーションハイテク公害有機塩素化合物

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トリクロロエチレン」の意味・わかりやすい解説

トリクロロエチレン
trichloroethylene

有機塩素化合物。揮発性・不燃性の無色の液体で,脱脂力が強く,主として機械部品などの洗浄溶剤として用いられる。1980年代まではドライクリーニング(→クリーニング業)の洗浄液として大量に使われていた。しかし毒性があり,地下水汚染土壌汚染の原因となったことから,化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化学物質審査規制法)などによって,製造,使用,排出が規制された。(→有害物質

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栄養・生化学辞典 「トリクロロエチレン」の解説

トリクロロエチレン

 洗剤として使われる有機溶媒.地下水汚染が問題とされている.

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