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トリクロロエチレン trichloroethylene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

トリクロロエチレン
trichloroethylene

脱脂力が強く,揮発性・不燃性の無色の液体で,主として金属製品などの洗浄溶剤として用いられる有機塩素化合物。日本でも広範に地下水を汚染していることが見いだされている。その飲用に伴う発癌性が懸念されることから,製造・使用や廃棄が規制されている。また,大気からも検出されており,汚染大気の吸入による人間の健康への影響が懸念されている。ただし,フロンなどと異なり,大気中では比較的分解されやすく,オゾン層を破壊することはない。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

トリクロロエチレン

金属部品の洗浄などに使用される有機塩素系溶剤。体内に蓄積されると、中枢神経や肝臓の機能に障害が出る。発がん性も疑われており、水質汚濁防止法で「有害物質」に指定されている。

(2015-05-12 朝日新聞 朝刊 1社会)

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百科事典マイペディアの解説

トリクロロエチレン

化学式はCHCl=CCl2。クロロホルム臭のある無色の液体。融点−86℃,沸点87.2℃。水に不溶。溶剤,ドライクリーニング,金属の脱脂清浄剤などに利用。
→関連項目化学物質審査規制法工業中毒地下水汚染バイオ・レメディエーションハイテク公害有機塩素化合物

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栄養・生化学辞典の解説

トリクロロエチレン

 洗剤として使われる有機溶媒.地下水汚染が問題とされている.

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大辞林 第三版の解説

トリクロロエチレン【trichloroethylene】

有機塩素系溶剤の一。化学式 Cl2C=CHCl 無色でクロロホルム臭がある。不燃性で有毒。ドライ-クリーニングや半導体工場での洗浄に用いられるが、地下水を汚染するため使用が規制される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トリクロロエチレン
とりくろろえちれん
trichloroethylene

エチレンCH2=CH2の水素原子3個を塩素原子で置き換えた化合物。正しくは1,1,2-トリクロロエテンというが、一般的にトリクロロエチレンといわれている。クロロホルムに似たにおいの無色の液体。1,2-ジクロロエタン(塩化エチレン)の塩素化により得たテトラクロロエタンを高温で脱塩化水素するか、1,2-ジクロロエタンをオキシ塩素化し副生するテトラクロロエチレンと分けるかして工業的に製造される。水には溶けず、エタノール、エーテルに溶ける。光、水分により徐々に分解されるので、通常安定剤が入っている。不燃性で金属を侵さず、蒸気洗浄、浸漬(しんし)洗浄に適しており金属脱脂剤として、またゴム、油脂、プラスチックなどの溶剤として多く用いられてきた。しかし有害物質に指定され、厳しい法的規制が実施されたため、徐々に使われなくなっている。蒸気は有害である。[谷利陸平]
『廃棄物研究財団編、厚生省生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室監修『トリクロロエチレン等処理マニュアル』(1993・化学工業日報社)』

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