多価フェノールともいう.同一分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基をもつ化合物の総称.自然界には,フラボノイド系,クマリン系化合物など数千種類以上の化合物が知られ,高等植物を中心に広く分布している.フラボノイド系化合物は(2/3)-phenyl-2H-1-benzopyranを基本骨格として,フラボン,イソフラボン,カテキン,アントシアニジン,カルコン,タンニン類などが知られ,クマリン系化合物は2H-1-benzopyran-2-oneを基本骨格としてもち,クローバーなどの芳香成分として存在している.これらポリフェノール化合物が抗酸化作用を示し,体内での過酸化脂質の蓄積を防ぎ,老化や動脈硬化,がんの予防などに有効とされて注目されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
(的場輝佳 関西福祉科学大学教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
…狭義には後述の石炭酸をフェノールという。
【フェノール類】
水酸基の数により1価フェノール,2価フェノール,3価フェノールのように呼び,2価以上をまとめて多価フェノール(またはポリフェノール)と総称する。フェノール類はコールタール,粗製の石油に含まれるほか,植物精油中にも含まれている(たとえばカルバクロール,チモール,カテコールなど)。…
※「ポリフェノール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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