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ポルフィリン porphyrin

翻訳|porphyrin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ポルフィリン
porphyrin

ポルフィンを基本骨格とし,周囲にある水素原子を他の原子もしくは原子団で置換して得られる化合物の総称。ポルフィリンの誘導体はヘモグロビン,チトクローム,クロロフィルなどの形で広く動植物中に存在する。有機溶媒に溶け,亜鉛やマグネシウムを中心金属とする金属ポルフィリンの溶液は強い赤色ケイ光を発する。

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百科事典マイペディアの解説

ポルフィリン

4個のピロール環が−CH=結合で環状に結ばれた構造(ポルフィン核)をもつ化合物の総称。生体内ではふつう金属と結合して錯体をつくる。鉄ポルフィリン(ヘム)はヘモグロビンチトクロムカタラーゼなどのタンパク質補欠分子として,マグネシウムポルフィリンは葉緑素として,いずれも生体内で重要なはたらきをしている。
→関連項目ヘム

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栄養・生化学辞典の解説

ポルフィリン


 図のように4個のピロール環が結合した環状の化合物.ヘムやクロロフィルの色素の骨格.5-アミノレブリン酸から生合成される.

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世界大百科事典 第2版の解説

ポルフィリン【porphyrin】

ピロール環4個が4個のメチン基-CH=によって結合,閉環してできるポルフィンporphin核を母体として,その上の1~8(およびα~δ)の位置に置換基がついた誘導体の総称。ポルフィリンに鉄,銅,マグネシウムが結合した分子内錯塩は天然に存在し,生理的に重要なものが少なくない。例えばチトクロム,カタラーゼ,ヘモグロビンなどは鉄ポルフィリン誘導体のヘムヘマチンを含有しており,植物の葉緑体にはマグネシウムポルフィリンとしてのクロロフィル(葉緑素)が含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ポルフィリン
ぽるふぃりん
porphyrin

4個のピロール環が4個の炭素で結合して閉環したポルフィンにメチル基などの側鎖のついた化合物の総称。生体内の酸化還元反応に重要な役割を果たしているヘモグロビン(血色素)、チトクロム類(呼吸色素)、クロロフィル(葉緑素)類などの色素部分を構成する化合物である。したがって、生物界に広くみいだされるが、ポルフィリンの中心構造をつくっているポルフィン自身は天然には存在しない。多くは緑色または赤色を呈し、特異な吸収スペクトルおよび蛍光スペクトルを示す。
 植物の光合成色素であるクロロフィル類の基本構造は、プロトポルフィリンの4個の窒素原子にマグネシウムが配位したものである。また、1996年、亜鉛が配位したクロロフィル類(バクテリオクロロフィルa)が、酸性環境に生息する光合成細菌にみつかっている。銅を配位したクロロフィルは安定で、食品などへの添加物として利用されている。ヘモグロビンやミオグロビン、チトクロムbなどの色素部分は、プロトポルフィリンに鉄が配位したものである。動物や細菌のポルフィリン類は、グリシンとスクシニルCoA(活性コハク酸)が縮合したものからつくられる。一方、植物のクロロフィル類のポルフィリンは、1990年代以降の研究からグルタミン酸などからつくられることが明らかになっている。[池内昌彦・馬淵一誠]
『森正保著『生化学の魔術師――ポルフィリン』(1990・裳華房) ▽林典夫・広野治子編『シンプル生化学』(1993・南江堂) ▽奥原英二著『一般生化学』(1993・南江堂) ▽ポルフィリン研究会編『ポルフィリン・ヘムの生命科学――遺伝病・がん・工学応用などへの展開』(1995・東京化学同人) ▽遠藤克己・三輪一智著『生化学ガイドブック』(1996・南江堂) ▽毎田徹夫ほか編『医科生化学』(2000・南江堂)』

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世界大百科事典内のポルフィリンの言及

【色素】より

メラニンは動物の皮膚の色を決定している色素で,褐色ないし黒色を示す。(4)ポルフィリン系色素 ポルフィリン環をもつもので,ヘモグロビン,カタラーゼなどの酵素,クロロフィル(葉緑素)など重要なものが多い。(5)フィコビリン類 開環テトラピロールの構造をもつ藻類の色素。…

【ヘム】より

…呼吸に関与するタンパク質であるヘモグロビン,チトクロムなどに含まれている。化学的にはポルフィリンとII価鉄の結合体で,特有の色調を呈する(吸収極大は581,545,415nmにある)。酸素運搬体であるヘモグロビンでは,酸素分子はヘムの鉄原子と結合する。…

※「ポルフィリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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