レア(ギリシア神話の女神)(読み)れあ(英語表記)Rhea

翻訳|Rhea

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

レア(ギリシア神話の女神)
れあ
Rhea

ギリシア神話の女神。レイアともいう。ウラノスガイアの娘、すなわちティタン神で、弟クロノスと結婚してヘスティアデメテルヘラハデスポセイドンゼウスを生んだ。クロノスは、王位をわが子に奪われると預言されたため、レアが生む子を次々と自分の腹の中に飲み込んでしまう。そこでレアは、最後に生まれたゼウスをひそかにクレタ島の妖精(ようせい)たちに預け、かわりに大きな石を産着でくるんで彼に飲み込ませる。やがて成長したゼウスとクロノスの腹から吐き出された兄弟たちが、父を討つことになる。

 レアは、フリギアの大地女神キベレ(神々の母とよばれる)と同一視されるが、彼女はまた狂気のなかに世界をさまようディオニソスを癒(いや)して、彼に秘教を授けたとされる。

[中務哲郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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