デジタル大辞泉
「三品」の意味・読み・例文・類語
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さん‐ぼん【三品】
- 〘 名詞 〙 ( 「ほん」は「品」の呉音 )
- ① 親王(しんのう)の位階の第三位。
- [初出の実例]「親王 一品。太政大臣。二品。左右大臣。三品。四品。大納言」(出典:令義解(833)官位)
- ② 中国や日本の位階の第三位。三位(さんみ)。
- [初出の実例]「彼の国の天皇、玄昉を貴(たっと)むで、三品を授て紫の袈裟を令着たりけり」(出典:今昔物語集(1120頃か)一一)
- [その他の文献]〔宋書‐礼志一〕
- ③ 仏語。経巻中の三つの章。
- [初出の実例]「日夜に読誦する間、序品より観音品に至るまで廾五品は、暗(そら)に思(おぼ)えて誦しけり。残を三品を年来思えむと為るに」(出典:今昔物語集(1120頃か)一四)
- ④ 仏語。上下、優劣などの階位を示す、上品・中品・下品の三つの段階の総称。浄土教で極楽浄土に行く人を大きく三つの等級に分けたことに由来する。
- [初出の実例]「法有二三時一、人亦三品。化制之旨、依レ時興讚、毀讚之文遂レ人取捨」(出典:教行信証(1224)六)
さん‐ぴん【三品】
- 〘 名詞 〙
- ① 三つの品物。また、三つの種類。〔文明本節用集(室町中)〕 〔易経‐巽卦〕
- ② 絵や書のもつべき三つの品位。神品・妙品・能品の称。〔図絵宝鑑‐巻一・六法三品〕
- ③ 独立した男子の志す三種の品位。道徳、功名、富貴の三つ。
- ④ 金・銀・銭相互の相場。
- ⑤ 取引市場で、綿花、綿糸、蚕糸(または綿布か人絹)の総称。〔取引所用語字彙(1917)〕
- ⑥ 「さんぴんとりひきじょ(三品取引所)」の略。また、その相場。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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三品
さんぴん
三つの品目あるいは等級をいい、その用法にはいろいろある。絵画や書などでは、そのできばえによって神品、妙品、能品の三つをたて、『図絵宝鑑』には、「気韻生動して天成に出るものは神品、筆墨超絶にして伝染よろしきを得たものを妙品、実物によく似ていて規矩(きく)にたがわぬものを能品という」などとある。政治上では、王者の政、覇者の政、強者の政をいい、人の性質も上、中、下の三品に分けられることもある。また、独立した男子の志す3種の品位として、道徳、功名、富貴の三つを数える。金、銀、銭相互の相場もこの名でよび、取引市場では綿花、綿糸、綿布(または蚕糸か人絹)をいう。
[田所義行]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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三品
さんぴん
san-pin
中国書画において芸術的価値を区別する3つの基準となる神品,妙品,能品の三品格。六朝時代に書について用いられ,盛唐の書家張懐かん (ちょうかいかん) が「天成にいずるものを神品,筆墨超絶して意趣の余りあるものを妙品,形似を得たものを能品」と評してから,この価値基準が一般的となった。唐末の朱景玄はほかに逸品 (→逸品画風 ) を加えて四品とし,以後,中国画論における評論基準には,この品等が用いられるようになった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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普及版 字通
「三品」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の三品の言及
【大阪三品取引所】より
…大阪市東区北久太郎町にある商品取引所。略して〈三品〉ということが多く,三品取引所ともいう。大阪は,江戸時代すでに近郊産出の綿花から綿糸,綿布の製品に至る綿関係の集散地だったが,明治年間に入って近代綿紡績業が発展するとともに,その原料綿花の多くを輸入に依存するようになった。…
※「三品」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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