日本歴史地名大系 「仁科神明宮」の解説
仁科神明宮
にしなしんめいぐう
現
仁科神明宮には伊勢神宮に倣って二〇年ごとに社殿を造替するいわゆる遷宮の慣行が続いており、そのつど棟札が奉掲される。現存する最古の棟札は南北朝時代の永和二年(一三七六)六月一四日の遷宮の時のもので、仁科盛国とその一族が造営奉仕をし、家臣団の主だった人々が奉行人となり、大小工・檜皮葺・釘奉行・銅細工・鍛冶などの職人が名を連ね、社殿用材の杣初めから遷宮に至るまでの日時・作料・祝料などが詳細に記されている。このような棟札は、永和二年以後現在に至るまで六〇〇年間一枚も欠けることなく総計三三枚が保存されており、二〇年ごとの遷宮が一度も欠けずに今日まで続いているあかしとなっており、江戸時代末までの二七枚は重要文化財。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報