(読み)カイ

デジタル大辞泉 「介」の意味・読み・例文・類語

かい【介】[漢字項目]

常用漢字] [音]カイ(漢) ケ(呉) [訓]すけ
物の間にはさまる。「介意介在
間に入ってとりもつ。「紹介仲介媒介
そばに付き添って助ける。世話をする。「介錯かいしゃく介助介抱
外側から覆って中身を守るもの。よろいや甲殻の類。「介冑かいちゅう魚介
固く身を守る。「狷介けんかい
ひとり。一つ。「一介
[名のり]あき・かたし・たすく・ゆき・よし

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精選版 日本国語大辞典 「介」の意味・読み・例文・類語

かい【介】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 甲殻のあるものの総称。主として貝。また、貝殻。転じて、よろい。〔曹植‐薤露行〕
  3. なかだち。紹介。→介する。〔孔叢子‐雑訓〕
  4. みさお。節操。〔孟子‐尽心・上〕

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普及版 字通 「介」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

[字音] カイ
[字訓] よろい・たすける・へだてる

[説文解字]
[甲骨文]
[その他]

[字形] 象形
身の前後によろいをつけた人の象。〔説文〕二上に「畫(かぎ)るなり」、畫字条三下に「界なり」とあってかぎる意とするが、介冑(かいちゆう)の介を本義とする。

[訓義]
1. よろい、こうら。
2. 身を守るもので、たすける。
3. 他と界して、へだてる、はさまる、さかい
4. 身にそえるもので、おおきい、かたい、つよい。
5. かたくつよい態度、みさお。
6. 个と通じ、ひとつ、わずか。

[古辞書の訓]
名義抄〕介 タスク・ハサム・ハサマル・オホキニス・オホキナリ・アキラカニ・ヨル・ヤドル・キル・タタク・ヒラク・ホソシ・ヤスシ・ヨロシ

[声系]
〔説文〕に介声として・疥・・界など十八字を収める。・疥は介小、は前後・左右に分かつ、界は田界。みな介の声義を承ける。

[語系]
介keatは个・箇kaiと声義近く通用し、〔書、秦誓〕「一介の臣」を〔礼記、大学〕に「一个の臣」に作る。のち介小の意において通用した。王引之の〔経義述聞〕に一字より分化したとする説があるが、もと別の字である。

[熟語]
介意・介異・介介・介懐・介居・介圭・介介倪・介潔・介甲・介在・介士・介使介駟介恃・介弐・介者・介寿・介衆介紹・介心・介人・介性・介石・介絶介鮮介然・介卒・介虫・介冑・介弟・介塗介特・介徳・介独・介馬・介婦・介福・介副・介物介僻・介立・介慮・介
[下接語]
一介・奇介・魚介・夾介・潔介・狷介孤介・拘介・高介・剛介・豪介・細介・志介・使介・駟介錙介・衆介・小介・紹介・清介・繊介・単介・仲介・貞介・媒介・微介・副介・偏介・方介・保介・厄介・良介・介・廉介

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【国司】より

…こうして令制的な国司制は斉明朝ころには全国的に成立し,その国司の下で編戸,里制の整備,戸籍の作成,班田の実施などが着々と進められたが,大税の管理権など,その権限はまだ制限されていた面もあったようで,国司制が完成の域に達したのは,大宝律令の制定(701)によってであった。
[制度]
 表のごとく,全国約60の国は大・上・中・下の4等級に分けられ,国司はその等級によって定員を異にしたが,その官制は守(かみ)(長官),介(すけ)(次官),掾(じよう)(判官),目(さかん)(主典)の四等官と史生(ししよう)(書記)から成っていて,これらは中央官人が6年(のちに4年)の任期で赴任し,その下に多数の現地出身の属吏がいた。職員令の規定によると一般の国の守は,祠社,戸口,簿帳,百姓の字養,農桑の勧課,所部の糺察,貢挙,孝義,田宅,良賤,訴訟,租調,倉廩,徭役,兵士,器仗,鼓吹,郵駅,伝馬,烽候,城牧,公私の馬牛,闌遺の雑物および寺,僧尼の名籍のことをつかさどり,とくに陸奥,出羽,越後等の国はそのほかに饗給,征討,斥候をつかさどり,壱岐,対馬,日向,薩摩,大隅等の国は鎮捍,防守および蕃客,帰化を惣知し,また三関国(伊勢,美濃,越前)は関剗および関契のことをつかさどることになっている。…

※「介」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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