仲居(読み)ナカイ

デジタル大辞泉 「仲居」の意味・読み・例文・類語

なか‐い〔‐ゐ〕【仲居】

1 旅館や料亭などで客の接待をする女性。
2 近世、幕府の大奥や大名屋敷などに仕える女性の詰めていた部屋。また、そこに詰めた女性。お仲居。御末おすえ。
3 近世、武家や商家の上女中と下女中との中間に使われた女性。中通りの女。
[類語]女中・お手伝いさん・メード・家政婦・派出婦・ねえや・婆や・ハウスキーパー・お三・おさんどん・仲働き・御殿女中・侍女

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精選版 日本国語大辞典 「仲居」の意味・読み・例文・類語

なか‐い‥ゐ【仲居・中居】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 将軍家、大名屋敷などの奥の間の一つで、勤仕する女性のいる所。また、そこに勤める女性。
    1. [初出の実例]「北の台の方に中居(ナカイ)する女童に」(出典:太平記(14C後)二一)
  3. ② 寺院に属する下位の僧。
    1. [初出の実例]「縁の上には中ゐの者共、小法師原(ばら)一人も残らず催したり」(出典:義経記(室町中か)三)
  4. ③ 江戸時代、商家などで奥女中と下女との中間で使われた女性。中通女(なかどおりおんな)。
    1. [初出の実例]「向後は中居に内をたのまれて やる事はやる息女也けり」(出典:俳諧・独吟一日千句(1675)第一〇)
  5. ④ 遊女屋や料理屋で客を接待し世話をする女性。
    1. [初出の実例]「中居膳をはこび」(出典:洒落本・傾城買四十八手(1790)真の手)
  6. ⑤ 台所に続いた、主婦の平常いる居間。

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改訂新版 世界大百科事典 「仲居」の意味・わかりやすい解説

仲居 (なかい)

古くは中居と記されることが多く,その早い用例は《明月記》後鳥羽院宇治御所の記述のうちに見える。仲居は,公家や門跡の住宅で主人の居間(常御所,常居所)近くに位置し,主人に奉仕する人たちの控室,台所でつくられた料理の中継・配膳のための室,あるいは広く家政,経理を担当する部門や担当者をも意味した。室町時代の内裏では中居に相当するものを御末(おすえ)と呼んでいた。また近世以降,料理屋などで客の接待をする女中を仲居というようになった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「仲居」の意味・わかりやすい解説

仲居
なかい

料理店などで飲食・遊興の世話をする座敷女中。元来は、宮廷で炊事をつとめる下級女官の名であったものが武家や民間にも継承され、茶屋に移って炊事とは無縁の職業となった。紅色の前垂(まえだれ)をつけるので赤前垂と俗称するが、この風俗は宮廷女官以来の伝統である。関西の茶屋の仲居は、単なる給仕人の域を超えて、遊女や芸者の指名をはじめ座敷の差配の実権を握るようになった。

[原島陽一]

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