日本大百科全書(ニッポニカ) 「余呉」の意味・わかりやすい解説
余呉
よご
滋賀県最北部、伊香郡(いかぐん)にあった旧町名(余呉町(ちょう))。現在は長浜市の北部を占める地域。1954年(昭和29)余呉、丹生(にう)、片岡の3村が合併し、1971年町制施行。2010年(平成22)東浅井(ひがしあざい)郡虎姫(とらひめ)町、湖北(こほく)町、伊香郡高月(たかつき)町、木之本(きのもと)町、西浅井(にしあざい)町とともに長浜市へ編入。JR北陸本線、国道365号(北国(ほっこく)街道)が通じる。旧地区の大部分が急峻(きゅうしゅん)な山地で占められ、平地は余呉川と高時川(たかときがわ)の河谷の狭小な谷底平野と南部に偏在するのみ。高時川の上流では丹生ダムの建設が進められている。冬季は積雪が多く、余呉高原スキー場などがある。農林業を主とするが、過疎化が著しい。源昌(げんしょう)寺の木造薬師如来(にょらい)立像、洞寿(とうじゅ)院の木造観音菩薩(かんのんぼさつ)立像、菅山寺の銅鐘は国指定重要文化財。丹生神社など式内社も多い。かつて陶器を神社に奉納したことに由来する丹生神社のちゃわん祭は県指定無形民俗文化財。余呉湖と賤(しず)ヶ岳は琵琶湖国定公園(びわここくていこうえん)域。
[高橋誠一]
『『余呉町誌』全2冊(1988、1989・余呉町)』