内房(読み)ウチボウ

デジタル大辞泉 「内房」の意味・読み・例文・類語

うち‐ぼう〔‐バウ〕【内房】

千葉県房総半島南西部の東京湾浦賀水道沿岸の地域安房あわ内側の意。観光地海水浴場が多い。→外房そとぼう

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精選版 日本国語大辞典 「内房」の意味・読み・例文・類語

ない‐ぼう‥バウ【内房】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 奥の部屋。〔塵芥(1510‐50頃)〕
  3. 女房
    1. [初出の実例]「やどへかへりて、内房にも此よし申きかせ」(出典:浮世草子・当流雲のかけ橋(1710頃か)三)

うち‐ぼう‥バウ【内房】

  1. 千葉県、房総半島南西部の東京湾・浦賀水道沿岸の地域。安房の内側の意。

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改訂新版 世界大百科事典 「内房」の意味・わかりやすい解説

内房 (うちぼう)

千葉県の南西部,東京湾浦賀水道に面する海岸外房に対し,房総半島南端の洲崎から北の富津(ふつつ)岬にまでおよぶ。海岸は岬と入江に富み,内陸の地形は東西に数列の断層山脈とその中間の断層平野からなる。断層山脈が海岸に突きでて,洲崎,大房(だいぶさ)岬,鬼崎,明鐘(みようがね)岬となり,断層平野が海に没して館山湾,富浦湾,岩井湾,保田(ほた)湾となる。湾の奥には白砂浜があり,波が静かで,遠く富士・箱根連山を望む。内房海岸は南房総国定公園に指定され,東京湾における最良の海水浴場となり,民宿が多い。JR内房線が海岸を走り,湾奥には富津市富津,鋸南町保田,南房総市の旧富山町岩井など小漁港をもつ小都市があるが,富津市北部は工業化が進んでいる。洲崎の千枚畑,館山の城山,那古の崖観音,富浦のビワ山,《里見八犬伝》の舞台となった富山や鋸(のこぎり)山,岩井の冬の草花栽培地などが多彩な景観をつくりあげている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「内房」の意味・わかりやすい解説

内房
うちぼう

千葉県南西部の浦賀水道に面する海岸。富津岬(ふっつみさき)付け根の磯根(いそね)崎から館山(たてやま)市の洲崎(すのさき)に至る。砂浜海岸岩石海岸が交互に続き、美しい自然景観をなす。海岸沿いにJR内房線と国道127号が走り、その内陸側に館山自動車道、富津館山道路の自動車専用道が通じている。浦賀(うらが)水道を挟み対岸の三浦半島とフェリーで結ばれ交通も便利。昭和に入って各地に海水浴場が開かれ、民宿が多い。鋸山(のこぎりやま)や大房(だいぶさ)岬の観光地を含め海岸線のほぼ全域が南房総国定公園(みなみぼうそうこくていこうえん)に属す。花の栽培が盛んで、ビワは南房総市の特産。

[山村順次]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「内房」の意味・わかりやすい解説

内房
うちぼう

千葉県南西部,房総丘陵浦賀水道に面する海岸地方。一般に富津岬から館山市西端の洲崎 (すのさき) にいたる海岸をいう。保田,岩井,富浦,館山の砂浜から成る湾入があり,港や海水浴場として利用される。佐貫の観音,鋸山の展望台と五百羅漢,富浦のビワ山,大房岬のキャンプ場,船形,那古の観音など旧跡や名所も多い。富山県立自然公園南房総国定公園の一部。 JR内房線,道路の整備などによって,観光地として発展している。

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百科事典マイペディア 「内房」の意味・わかりやすい解説

内房【うちぼう】

千葉県房総半島の東京湾岸のうち,洲崎(すのさき)から富津(ふつつ)市湊付近までの臨海部をさし,ときに富津岬までを含める。〈ないぼう〉ともいう。房総丘陵が海に迫り,その間の小平野に農漁業集落が散在する。外房とともに南房総国定公園に属し,内房線,国道127号線が通じる。

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世界大百科事典(旧版)内の内房の言及

【住居】より


[住宅の構成]
 建物を構成するおもな部屋には次のようなものがある。内房(アンパンanpang)は最も奥まった所にあり,おもに主婦と子どもたちの居室である。食事もここでし,衣服や貴重品を納める鍵のかかる籠もここにおく。…

【朝鮮】より

…建物自体への入口としての玄関に相当するものはなく,塀に設けられた大門が内と外との境界となっている。家屋は数十cmの高さに土壇を築いてその上に建てられ,その構造は地方や経済階層によってもちろん異なるが,基本的要素としては,台所(土間),それに続く内房(アンバンanbang),大庁(テチョンtaech’ŏng),大庁をはさんで内房の反対側に越房(コンノンバンkŏnnŏnbang)が配置される。建物の規模が大きくなればさまざまな部屋(房)が付加されるが,内房や越房などの居室部分の床はオンドル,大庁および物置き部屋などは板敷(マルmaru)である。…

※「内房」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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