制する(読み)セイスル

デジタル大辞泉 「制する」の意味・読み・例文・類語

せい・する【制する】

[動サ変][文]せい・す[サ変]
人の行動などを押さえとどめる。また、気持ちなどを押しとどめる。「殺到する群衆を―・する」「はやる心を―・する」
自分のものにする。支配する。「機先を―・する」「過半数を―・する」「一発攻勢で接戦を―・する」→先んずれば人を制す
規則などをきめる。制定する。「法を―・する」
[類語](1禁止禁制禁断禁令禁遏きんあつ禁圧厳禁無用法度はっと差し止め駄目だめ禁忌禁ずる取り締まる/(2支配握る押さえる掌握する確保する保持する独占する占有する手中に収める我が物にする

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精選版 日本国語大辞典 「制する」の意味・読み・例文・類語

せい‐・する【制】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]せい・す 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. おきてなどをきめる。制定する。
    1. [初出の実例]「仍(よりて)文字を制するにも日月を明とすと云へり」(出典神皇正統記(1339‐43)上)
  3. 人があることをしようとしているのをおさえとめる。また、気持などをおしとどめる。おさえる。
    1. [初出の実例]「月かほ見るは忌むこととせいしけれ共」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 「大将軍参河守あれせいせよ、とどめよと宣へば」(出典:平家物語(13C前)一〇)
  4. おさめる。支配する。意のままにする。意に従わせる。
    1. [初出の実例]「先(さきん)ずる時は人を制(セイ)するに利有りとて」(出典:太平記(14C後)一三)
    2. 「禽(きん)を制(セイ)するは気にあり、婦を制(セイ)するは其夫の雄々しきにあり」(出典:読本・雨月物語(1776)吉備津の釜)
  5. ほどよくする。調和を保つようにする。節制をする。節する。
    1. [初出の実例]「蓋し人の志を立て行を制するは」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉八)

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