(読み)レツ

デジタル大辞泉 「劣」の意味・読み・例文・類語

れつ【劣】[漢字項目]

常用漢字] [音]レツ(漢) [訓]おとる
能力や質・品性が他より落ちる。おとる。「劣悪劣化劣弱劣勢劣等愚劣下劣拙劣低劣卑劣優劣陋劣ろうれつ

れつ【劣】

[名・形動ナリ]劣ること。また、そのさま。
「その浄土こそ寂光の浄土より―なるべし」〈仮・夫婦宗論〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「劣」の意味・読み・例文・類語

おとり【劣】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「おとる(劣)」の連用形の名詞化 )
  2. 損をすること。損失減少
    1. [初出の実例]「所領か御引出物(おんひきでもの)かを給はりたらんずるには、莫太(ばくたい)の劣(オトリ)哉」(出典太平記(14C後)二一)
  3. 価値、力量身分品位などが他と比べて低いこと。また、そのもの。⇔まさり
    1. [初出の実例]「又、北の方の御心ばへ、うく浅ましく、使ひ給へる人よりもおとりにさいなみしを見聞き侍りしかば」(出典:落窪物語(10C後)三)
  4. 年下であること。
    1. [初出の実例]「春宮はをさなうおはしませば、をとりの人なども、いのちあらば、さしいづる世もや侍らん」(出典:海人刈藻物語(1271頃)一)
    2. 「静子とは一歳(ひとつ)(オト)りの弟の」(出典:鳥影(1908)〈石川啄木〉一〇)

れつ【劣】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 おとっているさま。おとっていてよくないさま。
    1. [初出の実例]「近来は御子験者とて劣なる事也」(出典:古事談(1212‐15頃)三)

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普及版 字通 「劣」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] レツ
[字訓] おとる・わずか・すくない

[説文解字]

[字形] 会意
少+力。〔説文十三下に「なり。力少に從ふ」(段注本)とする。力は耒(すき)の象形であるから、耕作力において劣る意であろう。(勝)の従うところの力もまた耒の象形である。農事に限らず、すべて才分の少ないこと、また鄙薄の意に用いる。

[訓義]
1. おとる、よわい。
2. わずか、すくない、いやしい、ひくい。
3. おろか、つたない。
4. わずかに、かろうじて、ようやく。

[古辞書の訓]
名義抄〕劣 オトル・ヨロ(ワ)シ・ツタナシ・オヂナシ・ワロシ

[熟語]
劣貨劣衿劣厥・劣・劣質・劣弱・劣情・劣勢・劣相・劣弟・劣点・劣等劣敗・劣薄・劣僕
[下接語]
劣・寡劣・寒劣・朽劣・怯劣・愚劣・下劣・蹇劣・弱劣・勝劣・拙劣・浅劣・賤劣・懦劣・低劣・駑劣・卑劣・鄙劣・微劣・凡劣・優劣・庸劣劣・陋劣

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