日本大百科全書(ニッポニカ) 「千曲(市)」の意味・わかりやすい解説
千曲(市)
ちくま
長野県北部、長野市の南部に隣接する市。2003年(平成15)更埴市(こうしょくし)、上山田町(かみやまだまち)、戸倉町(とぐらまち)が合併して成立。市域は千曲川の中流部両岸にまたがり、長野・上田両盆地を結ぶ。国道18号(北国(ほっこく)街道)、403号、JR篠ノ井(しののい)線、しなの鉄道が通じる。また、長野自動車道の更埴インターチェンジ、上信越自動車道と接続する更埴ジャンクションがある。南西の筑北(ちくほく)村との境には姥捨山(うばすてやま)伝説で知られる姨捨山(おばすてやま)(冠着山(かむりきやま))がある。農村部ではリンゴ、アンズ、ブドウなどの栽培が盛んで、アンズ狩りや花見が楽しめる「あんずの里」がある。南部には明治20年代に開湯した戸倉上山田温泉が、北西部にはJR篠ノ井線姨捨駅近くに月の名所として名高い長楽寺があり、「姨捨(田毎の月(たごとのつき))」(国指定名勝)で知られる棚田が広がる。森地区の森将軍塚古墳は国指定史跡である。郷土料理としては千曲川でのハヤ(ウグイ)を用いた「つけば料理」が有名である。面積119.79平方キロメートル、人口5万8852(2020)。
[編集部]