取繕う(読み)トリツクロウ

デジタル大辞泉 「取繕う」の意味・読み・例文・類語

とり‐つくろ・う〔‐つくろふ〕【取(り)繕う】

[動ワ五(ハ四)]
ととのえて見よくする。「体裁を―・う」
都合などを隠そうとしてうわべを飾る。「陽気に振る舞って悲しみを―・う」
間に合わせに修繕する。「ふすまの破れを―・う」
[可能]とりつくろえる
[類語]ごまかすだま欺く偽るたばかるかた誑かすはぐらかす化かす言いくるめる言い紛らす言い紛らわす言い逃れる言い抜ける言い繕う紛らす紛らわす一杯食わす鯖を読むお茶を濁すけむに巻く煙幕を張る目をくらます体良く空空しい白白しいわざとらしい心にもない受け流す繕う猫をかぶる見せかけ表面的

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「取繕う」の意味・読み・例文・類語

とり‐つくろ・う‥つくろふ【取繕】

  1. 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙 ( 「とり」は接頭語 )
  2. 不備のないようにととのえる。また、きれいにする。
    1. [初出の実例]「かかる所も、とりつくろひかかはる人もなければ、いとあしくのみなりゆく」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
  3. 都合のわるいことや過失などをおおい隠すために、間に合わせにうわべを飾ったり、なおしてみせたりする。とりつくらう。
    1. [初出の実例]「夜食もそこそこ、うちの首尾とりつくろい、急々こっそり出て行」(出典:洒落本・寸南破良意(1775)年季者)
  4. 間に立って周旋して、うまくその場をおさめる。とりなす。とりつくらう。
    1. [初出の実例]「杜国亭にて中あしき人の事、取つくろひて」(出典:俳諧・笈日記(1695)中)

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