白白しい(読み)シラジラシイ

デジタル大辞泉 「白白しい」の意味・読み・例文・類語

しらじら‐し・い【白白しい】

[形][文]しらじら・し[シク]
白く見えるさま。また、はっきりと見えるさま。「―・い月の光」
「よそにふる物とこそ見め白雪の―・しくも思ほゆるかな」〈重之集
興ざめなさま。「―・い空気が流れる」
うそであったり、本心でなかったりすることが、見え透いているさま。「―・いお世辞」「―・くうそ八百を並べたてる」
知っていながら知らないふりをするさま。「―・く初対面のあいさつをする」
[派生]しらじらしさ[名]
[類語](1真白い真っ白い白い白白しらじら白白しろじろ白っぽい真っ白け真っ白生白いほの白い雪白せっぱく雪白ゆきじろ皚皚がいがい雪を欺く純白白色白妙しろたえ乳色乳白色ミルク色灰白色象牙色ホワイトオフホワイトアイボリー蒼白そうはく白皙はくせき色白白面白地しらじ白地しろじ/(2散文的素っ気ない無機的無風流味気あじけないつまらない興醒きょうざ興醒きょうざまし不興しらけるつや消し色消しぞっとしない鼻白む無味無味乾燥無趣味没趣味索然砂を噛むよう/(3空空しいわざとらしい心にもない体良く受け流す取り繕う繕う猫をかぶる見せかけ表面的

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精選版 日本国語大辞典 「白白しい」の意味・読み・例文・類語

しらじら‐し・い【白白】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]しらじら〘 形容詞シク活用 〙 ( 古くは「しらしらし」 )
  2. 白く見える。しろじろとしている。明らかである。
    1. [初出の実例]「よそにふるものとこそ見め白雪のしらじらしくもおもほゆるかな」(出典:重之集(1004頃))
    2. 「しらしらししらけたるとし月光に雪かきわけて梅の花をる」(出典:和漢朗詠集(1018頃)下)
  3. はっきりとわかる、明白である。
    1. [初出の実例]「しらしらしくぞよそにしらるる くろぢくの筆にてかける文もうし」(出典:俳諧・誹諧之連歌(飛梅千句)(1540)第一)
  4. 興ざめの感じである。
    1. [初出の実例]「そこに、久しく馬に乗りながら、立てらむことの、しらしらしければ」(出典:平中物語(965頃)三六)
  5. 知っていながら知らないふりをするさまである。しらばくれている。そらぞらしい。また、はっきりいつわりとわかる様子である。
    1. [初出の実例]「同姓不娶ら者のあるを、昭公娶呉之女を呉姫と名くれば、余しらしらしいほどに呉孟子と云也」(出典:足利本論語抄(16C)述而第七)
    2. 「何の事とは白々(シラジラ)しい。色よい返事を」(出典:歌舞伎霊験曾我籬(1809)序幕)

白白しいの派生語

しらじらし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

白白しいの派生語

しらじらし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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