因って(読み)ヨッテ

デジタル大辞泉 「因って」の意味・読み・例文・類語

よっ‐て【因って/依って/×仍って】

[接]理由を述べた文を受けて、結論を述べる文へ導くのに用いる語。そういうわけで。「優秀な成績を収めました。―これを賞します」
[類語]ひいてそれからそしてそうして次いでして次についてはひいてはそれ故だから従って故にすなわちですからその上それにてて加えてあまつさえ更にかつまたなおかつおまけに加うるにのみならずしかのみならずそればかりかこの上それどころか

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精選版 日本国語大辞典 「因って」の意味・読み・例文・類語

よっ‐て【因て・依て・仍て】

  1. [ 1 ] 〘 接続詞 〙 ( 動詞「よる(寄)」の連用形に助詞「て」の付いた「よりて」の変化してできた語。漢文訓読から生じた ) 前の事柄が原因・理由になって、後の事柄が起こることを示す。だから。故に。よて。
    1. [初出の実例]「謀反の輩(ともがら)からめとるべき由下知せらる。仍(ヨッテ)二百余き三百余騎あそこここにおしよせおしよせからめとる」(出典:高野本平家(13C前)二)
  2. [ 2 ] 〘 接続助詞 〙 (活用語の終止形に付き)理由・原因を表わす。ので。よて。
    1. [初出の実例]「イヤ、剥がれると悪いよって、裸体で来た」(出典:咄本・軽口五色紙(1774)下)

因っての語誌

( 1 )[ 一 ]の出現時期については、読み仮名・送り仮名が無い場合の「因」「依」「仍」を「よりて」「よって」のどちらに読むのか断定できないため、鎌倉時代初頭頃までさかのぼる可能性がある。
( 2 )[ 二 ]は近世上方語で「によって」から変化し、一八世紀後半から一般化した。→よる(寄)[ 三 ]

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