デジタル大辞泉 「それに」の意味・読み・例文・類語 それ‐に[接] [接]1 そのうえ。それに加えて。「晴れたし、それに風もない」2 そうであるのに。それなのに。「殿上の台盤には人もつかず。―、豆一盛りやをらとりて」〈枕・一〇八〉3 それにより。その結果。「右大臣みぎのおとどにまかせ申すとだに言ひやり給はざりければ、―こそ菅原の大臣御心のままにまつりごち給ひけれ」〈大鏡・時平〉[類語]さては・その上・且つ・しかも・糅かてて加えて・かつまた・なおかつ・おまけに・加うるに・のみならず・しかのみならず・そればかりか・同時に・更に・あまつさえ・この上・また・それどころか・ひいて・それから・そして・そうして・次いで・して・次に・ついては・ひいては・それ故・だから・従って・よって・故に・すなわち・ですから 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「それに」の意味・読み・例文・類語 それ‐に [ 1 ] 〘 接続詞 〙① 前の事柄に対し、後の事柄が反対・対立の関係にあることを示す。それなのに。ところが。[初出の実例]「頭(とう)つき給はぬかぎりは、殿上の台盤には人もつかず。それに、豆一盛り、やをらとりて、小障子のうしろにて食ひければ」(出典:枕草子(10C終)一〇八)② 前の事柄の当然の結果として、後の事柄が起こることを示す。それにより。だから。その結果。[初出の実例]「などかかるさまにもなし奉らざりけむ。それに延ぶるやうもやあらまし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)早蕨)③ 前の事柄に、後の事柄が添加されることを示す。その上。それに加えて。[初出の実例]「堂塔をこぼち仏経をやきつくしつ。それにやけのこれる仏経をば難波のほり江にすていれつ」(出典:観智院本三宝絵(984)中)④ 後の事柄が前の事柄に関係のある時や物事であることを示す。その時に。その中で。それは。[初出の実例]「衣曝(きさらぎ)の始午(はつむま)の日は、〈略〉上中下の人稲荷詣とて参り集日也。其れに、例よりは人多く詣ける年有けり」(出典:今昔物語集(1120頃か)二八)[ 2 ] 〘 代名詞詞 〙 =それ(其)[ 一 ]④[初出の実例]「これより罷り帰るそ。それにもやかて、御帰りあれ」(出典:中華若木詩抄(1520頃)中) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by