(読み)マイ

  • うずま・る うづま‥
  • うずみ うづみ
  • うずも・る うづもる
  • うずも・れる うづもれる
  • うず・む うづむ
  • うず・める うづめる
  • うま・る
  • うもれ
  • うも・る
  • うも・れる
  • う・む
  • むも・る
  • 漢字項目

精選版 日本国語大辞典の解説

[1] 〘連語〙 (四段活用動詞「うずむ(埋)」の未然形に、受身を表わす助動詞「る」の付いたもの) 埋められる。うずもれる。
※山家集(12C後)上「はる風の花の吹雪にうづまれてゆきもやられぬ志賀の山みち」
[2] 〘自ラ五(四)〙
① 土や雪などにおおわれる。
※和英語林集成(初版)(1867)「ミチガ ユキデ udzmaru(ウズマル)
② 物や人で場所がいっぱいになる。
※落語・無学者論(1894)〈禽語楼小さん〉「陽成院の山は人で以て埋(ウヅ)まっちまった」
[語誌](1)(二)は、受身形である(一)が、四段活用「うまる」との関係から、同じ四段活用に転じたものと見られる。
(2)「うずまる」「うまる」の違いは、「うずめる」「うめる」の差異(→「うずむ(埋)」の語誌)と同様である。
(3)「うずもれる」とは、ほぼ同義と見られるが、「うずもれる③」の意味にはほとんど使わない。
〘名〙 (動詞「うずむ(埋)」の連用形の名詞化)
※歌舞伎・牡丹平家譚(重盛諫言)(1876)大詰「埋(ウヅ)みに残る蛍火を」
② 頭に載せるもの。被衣(かずき)
※雑俳・柳多留‐八(1773)「よし朝ははだか常盤はうづみ着る」
[1] 〘他マ四〙
[一] 下に物を入れ、その上を覆って盛り上げる。
① 物の一部、または全部を土や灰の中などに入れ込んで外から見えなくする。また、埋葬する。
※大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃)「螯足蘆灰は方輿に堙(ウツミ)て円蓋を輔(たす)け」
※枕(10C終)一九三「火取に火深ううづみて」
② いっぱい積み重なって下のものを覆い隠す。
※拾遺(1005‐07頃か)別・三〇三「ちる花は道見えぬまでうつまなん別るる人も立ちやとまると〈よみ人しらず〉」
※平家(13C前)三「白雲跡を埋んでゆき来の道もさだかならず」
③ 低い所やくぼんだ所などに物を詰めてふさぐ。
※方丈記(1212)「山はくづれて河をうづみ」
[二] (一)の比喩的用法。
① 元気をなくさせる。物思いに沈ませる。
※壬二集(1237‐45)「思ひやるながめも今は絶えねとや心をうづむ夕暮の雲」
② (名前などが)世に現われないようにする。
※日葡辞書(1603‐04)「ダウニ ホネヲウヅメドモ、ナヲバ vzzumanu(ウヅマヌ)
③ 人や物を人目に付かないようにする。隠す。かくまう。また、自分の身を隠す。
※浄瑠璃・双蝶蝶曲輪日記(1749)四「今〈略〉吾妻が駈落の様子を聞いた。定めてわれが埋んだぢゃあろ。マア其埋んだ所を聞かうわい」
[2] 〘他マ下二〙 (マ行四段から転じて、室町時代頃から使われた) ⇒うずめる(埋)
[語誌]「うずむ・うずめる」の基本的な意味は、「物の上に土など盛り上げて覆う」ことであり、これに対し、「うむ・うめる」のほうは「くぼみなどに物をつめてふさぐ、また、物を土などの中に入れ込む」ことである。中にある物は、「うずむ」「うむ」どちらの場合でも隠れて見えなくなるところから、同じような意味に用いられるようになったと思われる。「うずむ(一)(一)②」の意、「うずめる②」の意、「うめる③⑤」の意は、それぞれの特色を表わしている。
〘他マ下一〙 うづ・む 〘他マ下二〙 (四段活用から転じて室町ごろから使われた)
① 物の一部、または全部を土や灰の中などに入れ込んで外から見えなくする。また、埋葬する。
※天草本伊曾保(1593)貪欲な者の事「ワウゴンヲ〈略〉サンヤノ ツチノ ナカニ vzzumuru(ウヅムル) コトワ」
② 人や物で、ある場所をいっぱいにする。いっぱい積み重なって下のものを覆い隠す。
※良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉前「広き庭園は只だ馬車腕車に填(ウヅ)められて」
※青年(1910‐11)〈森鴎外〉二「附録は文学欄で填(ウヅ)めてゐて」
③ 低い所やくぼんだ所などに物を詰めてふさぐ。
※日葡辞書(1603‐04)「アナヲ vzzumuru(ウヅムル)
④ 人目に付かないようにする。隠す。
※読本・椿説弓張月(1807‐11)続「踪(あと)を埋(ウヅ)め名を匿(かく)し」
⑤ (気持を隠して外に表わさない意から、自動詞的に用いて) すましこむ。
※歌舞伎・百千鳥鳴門白浪(1797)大序「怪しからぬ、うづめた顔で、煙草盆の前に控へ」
⑥ (③の比喩的用法) 損失や不足などを補う。「うめる」を使う場合が多い。
※開化問答(1874‐75)〈小川為治〉二「数限りもなき物入りありて、これ等の入用を埋(ウズ)めんために他より金を借り入るる時は」
[語誌]→「うずむ(埋)」の語誌
[1] 〘自ラ四〙 =うずもれる(埋)
※金剛般若経讚述仁和元年点(885)「諸の衆生は久しく生死に殖(ウツモリ)て」
[2] 〘自ラ下二〙 ⇒うずもれる(埋)
〘自ラ下一〙 うづも・る 〘自ラ下二〙
① 土や雪などに覆われて見えなくなる。また、物に深く入り込んで隠れる。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「たちかこめりしもののふ、くづるる山にうづもれて」
※新古今(1205)冬・六五八「常よりもしの屋の軒ぞうづもるるけふは都に初雪やふる〈瞻西〉」
② 物や人などで場所がいっぱいになる。
※源氏(1001‐14頃)夕顔「池もみくさにうづもれたれば」
③ (①の比喩的な用法) 人に知られない状態にある。
(イ) 表立たない所に引っ込んでいる。
※源氏(1001‐14頃)東屋「さるあづま方のはるかなる世界にうづもれて」
(ロ) 物事や、人のほんとうの面がむなしく人に知られずにいる。
※源氏(1001‐14頃)夕霧「あしき事よき事を思ひ知りながらうづもれなむもいふかひなし」
※浮世草子・俗つれづれ(1695)四「筋目をただし時に埋(ウヅモ)れし人にはかぎらず」
④ (①の比喩的な用法) 悲しみ、絶望などの気持に身を任せる。
※破戒(1906)〈島崎藤村〉一五「放肆(ほしいまま)な絶望に埋没(ウヅモ)れるの外は無かった」
[語誌]「うずもれる」と「うもれる」には、「うずめる」と「うめる」の違い(→「うずむ(埋)」の語誌)と同様の差異が元来はあったと見られる。しかし、この両者は、「うずめられるもの」「うめられるもの」が主語になる表現であるため、結果としては同じことになり、ほとんど同義として使われる。→「うずまる(埋)」の語誌
〘自ラ五(四)〙
① くぼんだ所やあいている所がいっぱいにつまる。ふさがる。
※太平記(14C後)七「大手の堀一重(ひとへ)は、死人に埋(ウマ)りて平地になる」
※花冷え(1938)〈久保田万太郎〉一「すひがらで埋(ウマ)った火鉢」
② (①の比喩的な用法) 足りない分が補われる。損失の埋め合わせがつく。補填(ほてん)される。
※滑稽本・古朽木(1780)四「どうしても五十両の穴は埋(ウマ)らぬ事と見ゆれども」
③ (①の比喩的な用法) 苦労してそのかいがある。労力と報酬がつり合う。割に合う。多く打消の助動詞「ない・ぬ」を付けて用いる。→うまらないうまらぬ
※洒落本・通言総籬(1787)二「どけへいっても、色男一疋の役はしてくる男だ。何手めへの顔をふむには、て間隙(ひま)は入らねへ。跡でうまるめへぞよ」
④ 土や雪などにおおい隠される。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「段々雪に積(つも)られて、二里も行くと最(も)う骸(からだ)は埋(ウマ)るはナ」
[語誌]→「うずまる(埋)」の語誌
[1] 〘自ラ五(四)〙 =うもれる(埋)
※少年行(1907)〈中村星湖〉「昔から埋もってゐるといふ神代杉の伝説を思ひ浮べた」
[2] 〘自ラ下二〙 ⇒うもれる(埋)
〘名〙 (動詞「うもれる(埋)」の連用形の名詞化。「むもれ」とも表記) 家にとじこもって世間に出ないこと。引っ込んでいること。
※源氏(1001‐14頃)横笛「こはなどかくさしかためたる。あなむもれや。こよひの月を見ぬ里もありけり」
〘自ラ下一〙 うも・る 〘自ラ下二〙 (平安以後「むもる」と表記されることが多い)
① 土、雪などの中にはいって見えなくなる。また、他の物におおわれて見えなくなる。うずもれる。うもる。
※書紀(720)天武一三年一〇月(北野本訓)「大に地震る〈略〉時に伊予の温泉没(ウモレ)て出でず」
② (①の比喩的な用法) 表立たないで引っこんでいる。うずもれる。
(イ) ひかえめである。引っ込み思案である。
※源氏(1001‐14頃)若菜下「年頃かくむもれてすぐすに」
(ロ) 陰気である。はればれしない。ふさいでいる。
※源氏(1001‐14頃)賢木「登花殿のむもれたりつるに、はればれしうなりて」
(ハ) 物事や人の価値などがむなしく人に知られずにいる。
※人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)三「爺(とと)さんの怨を復(かへ)し、埋(ウモ)れし家を起さんと」
[語誌]「うずもれる」との違いについては、「うずもれる(埋)」の語誌参照。
〘他マ下二〙 ⇒うめる(埋)
〘自ラ下二〙 ⇒うもれる(埋)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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