天辺(読み)てっぺい

精選版 日本国語大辞典 「天辺」の意味・読み・例文・類語

てっ‐ぺい【天辺】

〘名〙 (「てへん(天辺)」の変化した語。「てつべい」とも)
① 兜(かぶと)や頭のいただき。脳天。てへん。
仮名草子東海道名所記(1659‐61頃)三「てつべいを枕にぶっさげめされい」
② 山のいただき。山頂
※雑俳・西国船(1702)「おびただし・あの巓平(テッペイ)三千坊

てん‐ぺん【天辺】

〘名〙 天のはて。空の際。また、空の高い所。上空
文華秀麗集(818)上・江頭春暁〈嵯峨天皇〉「天辺孤月乗流疾、山裏飢猿到暁啼」
太平記(14C後)二一「旧臣后妃泣々鼎湖の雲を瞻望(せんばう)して、恨を天辺(ヘン)の月に添へ」 〔宋之問‐上陽宮侍宴序〕

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デジタル大辞泉 「天辺」の意味・読み・例文・類語

てっ‐ぺん【天辺】

《「てへん(天辺)」の音変化》
(「頂辺」とも書く)かぶとのいただき。転じて、頭のいただき。「頭の天辺
いただき。頂上。「山の天辺
最高。最上。また、その地位。「プレーヤーとして天辺に上りつめる」「幸福の天辺にある」
俗に、深夜0時のこと。時計文字盤で0時(12時)が最も高い位置にあることから。映像・放送業界の用語で、収録編集などの作業日付をまたいで続くことを「てっぺんをまわる」などと言う。
[類語]頂上山頂山嶺山巓天頂

て‐へん【天辺/頂辺】

かぶとの鉢のいただき。てっぺん。
いただき。頭。てっぺん。
「此の奴ども―さ打ち被る時」〈滑・浮世風呂・前〉

てっ‐ぺい【辺】

《「てへん(天辺)」の音変化》「てっぺん」に同じ。
「―より太腹まで節々込めてから竹わり」〈浄・女護島

てん‐ぺん【天辺】

空の高いところ。上空。また、空のはて。「天辺の月」

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普及版 字通 「天辺」の読み・字形・画数・意味

【天辺】てんぺん

天地のはて。清・石濤〔梅竹小幅、四首、三〕詩 渾朴と風と各長を擅(ほしいまま)にす と隱と、(すべ)て妨げ無し 天邊の、眞に性 水上の輕、渾を破る

字通「天」の項目を見る

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