天辺(読み)テッペン

デジタル大辞泉 「天辺」の意味・読み・例文・類語

てっ‐ぺん【天辺】

《「てへん(天辺)」の音変化》
(「頂辺」とも書く)かぶとのいただき。転じて、頭のいただき。「頭の天辺
いただき。頂上。「山の天辺
最高。最上。また、その地位。「プレーヤーとして天辺に上りつめる」「幸福の天辺にある」
俗に、深夜0時のこと。時計の文字盤で0時(12時)が最も高い位置にあることから。映像・放送業界の用語で、収録や編集などの作業が日付をまたいで続くことを「てっぺんをまわる」などと言う。
[類語]頂上山頂山嶺山巓天頂

て‐へん【天辺/頂辺】

かぶとの鉢のいただき。てっぺん。
いただき。頭。てっぺん。
「此の奴ども―さ打ち被る時」〈滑・浮世風呂・前〉

てっ‐ぺい【辺】

《「てへん(天辺)」の音変化》「てっぺん」に同じ。
「―より太腹まで節々込めてから竹わり」〈浄・女護島

てん‐ぺん【天辺】

空の高いところ。上空。また、空のはて。「天辺の月」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「天辺」の意味・読み・例文・類語

てっ‐ぺん【天辺・頂辺】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「てへん(天辺)」の変化した語 )
  2. (かぶと)のいただき。転じて、頭のいただき。
    1. [初出の実例]「たアことウぬかすと、てっぺんを張子の福介のやうにするぜへ」(出典:滑稽本・旧観帖(1805‐09)初)
  3. 物のいちばん高い所。頂上。いただき。
    1. [初出の実例]「初の夢見に富士の頭上(テッペン)」(出典:雑俳・花見車集(1705))
  4. はじめ。最初。真っ先
    1. [初出の実例]「有徳な人の子供は、てっぺんから大医にかけて人参ずくめ」(出典:談義本・八景聞取法問(1754)一)
  5. 物の極点。最高。最上。
    1. [初出の実例]「女房方、娘方、おやま、所作事引くるめて若女形のてっぺん」(出典:談義本・根無草(1763‐69)前)
  6. ホトトギスの鳴き声。
    1. [初出の実例]「初物のてっへん銭が入らず聞く」(出典:雑俳・柳多留‐六六(1814))

て‐へん【天辺・頂辺】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (かぶと)の部分の名。鉢の中央上部をいう。てっぺん。
    1. [初出の実例]「常に錏(しころ)を傾けよ、いたう傾けて手へん射さすな」(出典:平家物語(13C前)四)
  3. 頭。いただき。てっぺん。
    1. [初出の実例]「朝霧に馬は大津の追からし〈乙由〉 山のてヘンに落かかる月〈芦本〉」(出典:俳諧・一幅半(1700)一折)
  4. 佐渡金山で用いた一種保安帽。かんぜよりで兜のように編んだもの。
    1. [初出の実例]「てへんといふ、甲のごとく、笠に似たる、こよりにて作たるものをかぶり」(出典:島根のすさみ‐天保一一年(1840)八月八日)

てっ‐ぺい【天辺】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「てへん(天辺)」の変化した語。「てつべい」とも )
  2. (かぶと)や頭のいただき。脳天。てへん。
    1. [初出の実例]「てつべいを枕にぶっさげめされい」(出典:仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)三)
  3. 山のいただき。山頂。
    1. [初出の実例]「おびただし・あの巓平(テッペイ)三千坊」(出典:雑俳・西国船(1702))

てん‐ぺん【天辺】

  1. 〘 名詞 〙 天のはて。空の際。また、空の高い所。上空。
    1. [初出の実例]「天辺孤月乗流疾、山裏飢猿到暁啼」(出典:文華秀麗集(818)上・江頭春暁〈嵯峨天皇〉)
    2. 「旧臣后妃泣々鼎湖の雲を瞻望(せんばう)して、恨を天辺(ヘン)の月に添へ」(出典:太平記(14C後)二一)
    3. [その他の文献]〔宋之問‐上陽宮侍宴序〕

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普及版 字通 「天辺」の読み・字形・画数・意味

【天辺】てんぺん

天地のはて。清・石濤〔梅竹小幅、四首、三〕詩 渾朴と風と各長を擅(ほしいまま)にす と隱と、(すべ)て妨げ無し 天邊の、眞に性 水上の輕、渾を破る

字通「天」の項目を見る

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