失する(読み)シッスル

デジタル大辞泉 「失する」の意味・読み・例文・類語

しっ・する【失する】

[動サ変][文]しっ・す[サ変]
なくす。失う。「機会を―・する」「面目を―・する」
あるべきものや状態を欠いたりなくしたりする。「礼を―・した態度」「名を―・する」「均衡を―・する」
(「…に失する」の形で)…すぎる、度を越している意を表す。「遅きに―・した感がある」
[類語]失う遺失散逸滅失流失消失消滅消散忘失雲散霧散雲散霧消離散四散飛散立ち消え消える失せる散る無くなる無くす無くする無くなす喪失する亡失する紛失する落とす逃がす逃す取り逃がす逸する長蛇を逸する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「失する」の意味・読み・例文・類語

しっ‐・する【失】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]しっ・す 〘 他動詞 サ行変 〙 保っているある状態、また、ととのっている状態などを失う。なくする。
    1. [初出の実例]「有仏性の道にも、無仏性の道にも、通達の端を失せるがごとくなり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)仏性)
    2. 「時世に逢て用らるるも、時を失して棄らるるも」(出典:中華若木詩抄(1520頃)下)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]しっ・す 〘 自動詞 サ行変 〙
    1. あるものが消える。滅びる。
      1. [初出の実例]「驕れる者は失(シッ)し倹なる者は存す」(出典太平記(14C後)一一)
    2. ( 「…に」を受けて用いる ) 程度が過ぎる。
      1. [初出の実例]「人、往々今世芸文の昌盛を称すること、誇大に失せり」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一一)

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