婦(漢字)

普及版 字通 「婦(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)
11画

[字音]
[字訓] よめ・つま・おんな

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
旧字はに作り、帚(ふ)声。帚はの初文で、卜辞には帚好・帚(ふけい)のように帚をの字に用いる。〔説文〕十二下に「なり。女の帚(はうき)を持つに從ふ。灑(さいさう)するなり」とあり、服従と灑をその義とする。帚は掃除の具ではなく、これに鬯酒(ちようしゆ)(香り酒)をそそいで宗の内を清めるための「玉ははき」であり、一家の主婦としてそのことにあたるものをという。〔爾雅、釈親〕に「其の妻をと爲す」とあるのは、子の婦、よめをいう。金文の〔令(れいき)〕に「子後人」の語があり、宗につかえるべきものをいう。殷代の婦は、その出自氏族を代表する者として、極めて重要な地位にあり、婦好の卜辞には外征を卜するものがある。

[訓義]
1. よめ、つま、主婦。
2. おんな。

[古辞書の訓]
和名抄 與女(よめ)、、夫なり 〔名義抄 ヨメ・メ・シタガフ/人 タヲヤメ 〔立〕 ムスメ・メ・ヨメ・オホヨメ・シタガフ

[語系]
biuは母mと声近く、両者は関連する語であろう。それは夫piuaとbiuaとの関係と似ている。夫婦父母も相対する語である。

[熟語]
婦謁・婦翁・婦家・婦学・婦官・婦言・婦姑・婦公・婦功・婦子・婦寺・婦侍婦豎婦孺婦女・婦飾・婦織・婦職・婦人・婦征・婦婦態・婦党・婦道・婦徳婦妖婦容婦閭・婦礼
[下接語]
婦・怨婦婦・家婦・寡婦・介婦・外婦・姦婦悍婦・貴婦・棄婦・戯婦・嬌婦・愚婦・君婦・婦・賢婦・巧婦・孝婦・蚕婦・産婦・爨婦・子婦・慈婦・主婦・醜婦・小婦・少婦・妾婦・倡婦・娼婦・情婦・織婦・新婦・世婦・節婦・宗婦・桑婦・孀婦・村婦・穉婦・廚婦・長婦・冢婦・貞婦・嫡婦・哲婦・田婦・妬婦婦・婦・毒婦・妊婦・納婦・販婦・鄙婦・美婦・匹婦・嬪婦・夫婦・命婦・勇婦・孕婦・幼婦・妖婦・嬾婦・婦・良婦・烈婦・老婦

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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