婦人運動(読み)ふじんうんどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

婦人運動
ふじんうんどう

人間としての平等人権思想を中心とし,婦人問題の解決,婦人の社会的地位向上を目指した社会運動。有名な運動団体としては,平和,貧乏追放,婦人解放を目標として第1次世界大戦中に生まれた婦人国際平和自由連盟がある。世界 30ヵ国以上に支部をもち,ベトナム戦争に際しては世界の著名な女性たちの署名を得て「戦争終結アピール」を出した。1970年以降,特にアメリカ合衆国を中心とした運動のウーマン・リブは,既成社会の体制打破を唱え,対男性への運動はもちろんのこと,女性自身の意識の改革を主張している。日本では 1911年に大正期の婦人運動の旗手となる平塚らいてうが青鞜社を結成し,機関誌『青鞜』を発刊した。また平塚と市川房枝らは 1920年新婦人協会を,山川菊栄は 1921年赤瀾会を組織した。昭和期に入ると,婦人選挙権運動(→婦人参政権)が活発化し,婦選獲得同盟がその中核組織として活躍した。第2次世界大戦後は 1948年奥むめおを中心に主婦連合会が結成され,おしゃもじ運動などを興し,消費者運動も活発になった。(→フェミニズム

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大辞林 第三版の解説

ふじんうんどう【婦人運動】

男性と平等の権利を獲得し女性の地位向上をはかるために、女性が主体となって行う社会運動。特に、女性の人権・参政権・法律上の地位・教育・職業活動などにおける制度的女性差別を是正しようとするもの。また、平和運動・消費者運動・慈善活動などを含めて、そのうち女性が主体となっている運動をもいう。 → 女性解放運動

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

婦人運動
ふじんうんどう

女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃を目ざし、男女平等を実現しようとする自覚的かつ社会的な運動をさす。「婦人運動」は、階級間に存在する不平等な社会制度を変革し、参政権・教育・職業・結婚・家族関係などのあらゆる領域における男女差別の撤廃を目ざす19世紀以降の「婦人解放運動」をさすことばとして使われてきた。「婦人運動」の基礎には男性の女性に対する抑圧は、私有財産制に基づく階級社会の存在に基因するものであり、階級社会の廃絶がなされるならば抑圧と被抑圧の関係も解決されるという視角があった。しかし、社会主義を掲げた国々における男女関係の実相が明らかにされるにつれ、性差別と階級差別の関係について新たなる視角の構築が必須(ひっす)であることが浮かび上がった。同時に「婦人」には既婚者など一部の女性のみに限定する意味合いがあるとの指摘がなされ、「婦人」から「女性」へと呼称の変更が相次いだ。こうした動向のもと、今日では広義の「女性運動」のなかに「婦人運動」も含めて考察されることが多くなった。[布施晶子]

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