婿・聟(読み)もこ

精選版 日本国語大辞典 「婿・聟」の意味・読み・例文・類語

もこ【婿・聟】

〘名〙
① 仲間・敵など、自分に相対する人。相手。
※古事記(712)中・歌謡「ちはやぶる 宇治の渡りに 棹取りに 速けむ人し わが毛古(モコ)に来む」
② (配偶者としての相手の意から) 婿(むこ)。かたき。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
[補注]語源について「むこ(婿)」の母音が交替したもの、「むく(向)」と同語源、「もとこ(許処)」の意、「もころ(如)」と同語源などの説がある。挙例の「古事記」の「毛」「古」がともに上代特殊仮名遣いの甲類なので、「眉」のマユとマヨなどにみられるウ列とオ列甲類の母音交替を参照して、前二説が有力と言われている。後二説の用例はコが乙類なので、モも乙類で仮名遣いが合わない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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