(読み)ゴ

デジタル大辞泉 「午」の意味・読み・例文・類語

ご【午】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]うま
学習漢字]2年
十二支の7番目。うま。「丙午
昼の12時。「午後午餐ごさん午睡午前正午
真南。「亭午子午線
陰暦五月。「端午
交差する。「旁午ぼうご
[名のり]ま

ご【午】

十二支の第七。うま。
うまの刻。正午。
三井寺や日は―にせまる若楓わかかへで」〈蕪村句集

うま【午】

十二支の7番目。
方角の名。南。
昔の時刻の名。今の昼の12時ごろ、およびその後の2時間。または昼の12時前後の2時間。
1にあたる年や日。
陰暦5月の異称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「午」の意味・読み・例文・類語

うま【午】

  1. 〘 名詞 〙 ( 平安以降、「むま」と表記した例が多い )
  2. 十二支の一つで、その第七番目。馬。ご。
    1. [初出の実例]「むま ひつじ さる とり いぬ ゐ むまれよりひつしつくれば山にさるひとりいぬるにひとゐていませ〈よみ人しらず〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)物名・四三〇)
  3. 年月日、方角、時刻に配してその呼び名とするもの。
    1. (イ) にあたる年や日。→午の日
      1. [初出の実例]「鈴鹿川爰(ここ)をせにこせ午の年〈守武〉」(出典:俳諧・境海草(1660)春)
    2. (ロ) 南の方角。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    3. (ハ) 時刻の呼び名。奈良・平安時代の定時法では、ほぼ現在の午前一一時から午後一時まで。鎌倉時代以降の不定時法では、春秋は午前十時半頃から午後一時前まで、夏は十時半頃から一時頃まで、冬は一一時前から一二時半すぎまで。江戸時代後半には半刻遅れて行なわれた。昼九つ。午の刻。午の時。
      1. [初出の実例]「相戦従午及申。官軍疲頓」(出典:続日本紀‐天平宝字八年(764)九月壬子)
      2. 「六七月のむまひつじの時ばかりに、きたなげなる車に、えせ牛かけてゆるがしいく者」(出典:枕草子(10C終)一二二)
    4. (ニ) 五月の異称。
  4. はつうま(初午)」の略。
    1. [初出の実例]「午を目当てに鞭打って大鼓売り」(出典:雑俳・柳多留‐九六(1827))
  5. ( 「ひのえうま(丙午)」の略 ) 特に、丙午生まれの女性をいう戯称。馬の内侍。
    1. [初出の実例]「こわい事へのこ四五本馬がくい」(出典:雑俳・末摘花(1776‐1801)四)

ご【午】

  1. 〘 名詞 〙
  2. うまの刻。正午。
    1. [初出の実例]「三井寺や日は午にせまる若楓〈蕪村〉」(出典:俳諧・新花摘(1784))
    2. [その他の文献]〔孫綽‐遊天台山賦〕
  3. 夜中午夜
    1. [初出の実例]「今宵の客は三更(ゴ)にいぬると」(出典:談義本・つれづれ睟か川(1783)序)
  4. 夜半をつげる太鼓。
    1. [初出の実例]「もう何時じゃ。追付け後(ゴ)がなりませう。ムム夜中」(出典:浄瑠璃・躾方武士鑑(1772)八)

ごう【午】

  1. 〘 名詞 〙 京都遊里で、午夜(ごや)のことをいう。真夜中三更にあたるので「更」をあてることもある。「後」「期」と書くのもすべて当て字。ご。
    1. [初出の実例]「はや呼びにやれ、更(ガウ)になりやんす」(出典:滑稽本・見外白宇瑠璃(1758)一)

むま【午】

  1. 〘 名詞 〙うま(午)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「午」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

[字音]
[字訓] さからう

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
杵(きね)の形の器。これを呪器として、さからい守るので、(御)・禦の初形はその形に従い、午を拝する意の字である。〔説文〕十四下に「(さか)らふなり。五には陰气、陽に(ごぎやく)して、地をして出づるなり」(段注本)と、陰陽・五行を以て字形を説く。卜文・金文の字形は杵、ときに糸束をねじらせた幺(よう)の形にみえるものもあり、これを呪器として拝した。卜辞に禦祀の禦をその形に作るものが多い。わが国で白香(しらか)を用いるようなものであろう。

[訓義]
1. きねの形の呪具、これで祈り、ふせぎまもる。さからう。
2. そむく、たがう。
3. 十二支の一、うま。

[古辞書の訓]
名義抄〕午 ムマトキ 〔字鏡集〕午 ワカツ・ムマトキ・ムマ・マジフ

[部首]
〔説文〕十四下の一字を属し、「らふなり」という。午・吾はともにまもる意の字で、抵抗し守る意がある。

[声系]
〔説文〕に午声として許・杵・など四字、また(ぎよ)声三字を収める。許・はともに午(杵)を呪器として用いる儀礼を示し、許は聴許、は禦祀をいう。いずれも呪祝に関する字である。

[語系]
午・・忤・・晤・悟ngaは同声。(逆)ngyakもその系統の語で、抵抗的な姿勢で対者を迎える意。またngea、(迎)ngyang、(遇)ngioも、神異のものなどをあやしみ迎える意がある。みな一系の語である。

[熟語]
午陰・午影・午下・午割午貫・午逆午供・午頃・午憩・午月午午午后・午後午刻・午歳・午・午市・午時・午日・午酒・午暑・午餉・午食・午寝・午睡・午正・午節・午饌・午前・午達・午潮・午枕・午天・午熱・午飯・午風午眠・午夢・午門・午夜午漏
[下接語]
移午・下午・過午・近午・交午・子午・正午・上午・舛午・午・端午・停午・日午・午・旁午・傍午・夜午

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「午」の意味・わかりやすい解説


うま

十二支の第7番目。「ご」ともいい、平安時代以降には「むま」と表記される例が多い。十二支獣としてウマがあてられる。5月の異称として「午の月」の語がある。初午(はつうま)の略称として「うまの日」が用いられるが、これは2月最初の午の日をいい、京都の伏見稲荷(ふしみいなり)をはじめとして、稲荷の例祭が行われる。時刻としては今日の午前12時を中心とした前後2時間に相当し、「正午」「午前」「午後」などのことばもこれに由来する。方角としては真南にあたる。

[宇田敏彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

占い用語集 「午」の解説

十二支の一つ。陽の火で、季節は夏、月は6月、時間は11~13時、方位は南を表す。

出典 占い学校 アカデメイア・カレッジ占い用語集について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android