機器分析(読み)ききぶんせき(英語表記)instrumental analysis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

機器分析
ききぶんせき
instrumental analysis

物質を分析するとき,構成成分の示す物理的性質を測定して,成分の同定定量を行う化学分析法の総称。比較的複雑な機構をもつ機器を用いて分析が行われるので,このように呼ばれる。範囲は多少任意であるが,いずれも試料に関係する特性的な量 (たとえば光の吸収,放射能,熱的性質など) を適当な変換器により電気的な量に変え,増幅して検知する。古典的な化学分析法に比べ,精密,迅速であり,システム化が可能である。質量分析,X線分析,紫外・赤外分光分析核磁気共鳴電気分析クロマトグラフィーなどは機器分析の代表であり,近代分析法の主流となっている。

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百科事典マイペディアの解説

機器分析【ききぶんせき】

物質の物理的・化学的特性を機器を用いて分析すること。化学反応を利用した化学分析に対比される。分析された情報はエレクトロニクス技術により電気的信号として自動的・自記的に増幅,処理,記録される。機器分析では物質の定性・定量分析ばかりでなく,物質の存在する状態,構造,分離,反応速度,熱変化,分布状態などの測定が可能である。熟練をそれほど必要とせず,正確で速く行うことができるため,工場における自動制御,工程管理,製品管理などに多用されている。電磁波分析,電気化学分析,分離分析などがある。
→関連項目定量分析

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世界大百科事典 第2版の解説

ききぶんせき【機器分析 instrumental analysis】

特異試薬との化学反応を利用して色の変化や沈殿生成などの化学変化を観察することによって物質の確認,検出,定量を行っていた化学分析に対比される用語で,化学分析の操作,物質の同定,物性変化や反応速度の測定などを物理計測手法を用いて機器化して,必要な物質情報を装置信号として自動的に取得できるようにした分析法の総称。厳密な定義はなく,1950年ころから慣用的に用いられるようになったが,第2次大戦中に発展した通信技術,エレクトロニクス技術の進歩に負うところが大きい。

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大辞林 第三版の解説

ききぶんせき【機器分析】

電子工学技術を応用した精巧な機器を用いて行う、物質の物理的・化学的な分析法の総称。赤外線分光分析・紫外線分光分析・ X 線分析・質量分析・ポーラログラフィー、各種のクロマトグラフィーなど。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

機器分析
ききぶんせき
instrumental analysis

化学的あるいは物理的手段で物質の分析を行う際に、ある程度以上の高級複雑な器具装置を用いることによって特色づけられる分析法の総称。分析化学の進歩は器具装置の発達とともに歩んできたといってよく、この方法の特色は、より精密な装置の利用により、従来まったく不可能であった分析がしだいに可能になった点にある。機器分析の特質としては、従来の化学分析で最大の問題であった分析目的成分の相互間の分離、あるいは、それと非目的成分との分離などの煩雑な操作が不要になる場合が多いこと、すなわち、方法自体に選択性がある点である。たとえば、原子、分子などに特有のスペクトルを測定するいわゆる電磁波分析法、物質の電気的諸量を測定するいわゆる電気分析法、質量のわずかの違いによって物質を分離したり、物質間の吸収や分配の違いによって分離するいわゆる分離分析法などの諸法はその代表的なものである。また機器分析の特質の一つとして、分析の高感度化、迅速化、自動化、連続化への道が開かれる点がある。これらに成功した諸方法はコンピュータなどの電子工学と結び付いて、生産現場その他の工業界において重要な役割を担っている。[高田健夫]

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