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宮本武蔵 みやもとむさし

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

宮本武蔵(映画)
みやもとむさし

日本映画。1961年(昭和36)~1965年作品。内田吐夢(うちだとむ)監督。1950年代になると、GHQ(連合国最高司令部)による統制が解除されて時代劇が急激に復活し、東映が創立されて時代劇のメッカとなった。第二次世界大戦後、東映に入った内田も時代劇をつくるがあまりふるわず、1960年代に入り、時代劇が後退してテレビ番組に移り始めた時期、東映時代劇の全盛時代を担ったスター、中村錦之助(なかむらきんのすけ)(萬屋(よろずや)錦之介、1932―1997)を主役に、長編5部作の『宮本武蔵』で再登場した。この作品で内田は、それまでの剣豪武蔵とはまったく異なった、なんのための剣の道かを自問自答して懊悩(おうのう)する武蔵像を描き出した。画面には殺気と荒涼感が漂い、ディスコミュニケーション(人と人、人と社会との断絶)をにじませた特異な時代劇である。かつて日本映画の最大のジャンルであった時代劇が消滅していく、その最後の局面を開いた作品となり、以降の時代劇の作り方に大きな影響を与えた。
 『宮本武蔵』はサイレント時代から何作も製作されており、第二次世界大戦後は1954年~1956年に稲垣浩(いながきひろし)監督、三船敏郎(みふねとしろう)主演で3作品、1973年には加藤泰(かとうたい)監督、高橋英樹(たかはしひでき)(1944― )主演で1作品が映画化されている。[千葉伸夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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