寒川神社(読み)サムカワジンジャ

デジタル大辞泉 「寒川神社」の意味・読み・例文・類語

さむかわ‐じんじゃ〔さむかは‐〕【寒川神社】

神奈川県高座郡寒川町にある神社祭神は寒川比古命ひこのみこと・寒川比女命ひめのみこととされるが、異説が多い。5月5日国府祭こうのまちが行われる。相模国一の宮

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精選版 日本国語大辞典 「寒川神社」の意味・読み・例文・類語

さむかわ‐じんじゃさむかは‥【寒川神社】

  1. 神奈川県高座(こうざ)郡寒川町にある神社。旧国幣中社。祭神は寒川比古命(さむかわひこのみこと)、寒川比女命(さむかわひめのみこと)。天平神護元年(七六五)の創建とも、神亀四年(七二七)の創建ともいう。特に源頼朝北条氏、徳川将軍家から尊崇され、社領、社殿の奉納などが行なわれた。相模国唯一の名神大社。相模国一の宮。寒川さん。

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日本歴史地名大系 「寒川神社」の解説

寒川神社
さむかわじんじや

[現在地名]寒川町宮山

宮山みややまのほぼ中央、相模川の東約八〇〇メートルのやや小高い台地の上にある。南へ約一キロの参道が続く。

祭神は寒川比古命・寒川比女命の二神。「延喜式」神名帳「高座郡六座大一座、小五座」のなかに「寒川サムカハノ神社名神大」とあり、相模国唯一の名神大社で、相模国一宮。旧国幣中社。社伝では、天平神護元年(七六五)の建立とも、神亀四年(七二七)の建立とも伝える。「続日本後紀」の承和一三年(八四六)九月八日に「相模国无位寒河神並従五位下」を、延喜一六年(九一六)一月には正四位上(扶桑略記)を受けている。「吾妻鏡」寿永元年(一一八二)八月一三日条で源頼朝が子息頼家誕生に際し馬を奉納した神社のなかに「当国一宮」とみえ、建久三年(一一九二)八月九日条に「御台所(北条政子)御産気云々被修誦経佐河大明神」、建保二年(一二一四)一〇月二日条に「相州為当国一宮奉幣御使」など、源頼朝・北条政子・北条義時・北条重時らがしばしば社参、奉幣をしている。


寒川神社
そうがわじんじや

[現在地名]美山村寒川 土居

土居どい集落の西部山際に鎮座。祭神は国常立くにのとこたちほか二二柱。旧村社。元久元年(一二〇四)当地の豪族寒川氏の六代朝玄が、鎌倉幕府より地頭職に補されて寒川荘一四ヵ村一千石を安堵された時、寒川家の氏神として上愛徳六社かみあいとくろくしや権現(現美山村の上阿田木神社)を勧請し祀ったのに始まるという(寒川村誌)。また元弘四年(一三三四)成立という愛徳山縁起(続風土記)熊野権現が新宮より寒川大原そうがわおおはら峰御社みねみやしろ原に垂迹したとあるが、その地がこの神社地であるともいわれる。


寒川神社
さむがわじんじや

[現在地名]中央区寒川町

寒川さむがわに鎮座。古くは神明社・伊勢明神とみえるほか、寒川の一帯が結城ゆうき郷とよばれていたため結城明神とも称した。祭神は寒川比古命・寒川比売命で、天照大神を配祀するが、伊勢明神の称などからは本来は天照大神が祭神であったと考えられる。旧村社。創建年代は未詳であるが、「延喜式」神名帳にみえる千葉郡二座の一つ寒川神社に比定する説がある(現船橋市二宮神社ともいう)。文明一三年(一四八一)に宮殿を再建していることが社蔵の獅子面銘で知られ、神明と記す。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「寒川神社」の意味・わかりやすい解説

寒川神社
さむかわじんじゃ

神奈川県高座郡寒川町宮山に鎮座する相模(さがみ)国(神奈川県)の代表的な古社。旧国幣中社。祭神は寒川比古命(ひこのみこと)、寒川比女命(ひめのみこと)。創祀(そうし)はつまびらかでないが、はるか古代にさかのぼる。『三代実録』元慶(がんぎょう)8年(884)には正四位下、『扶桑略記(ふそうりゃっき)』延喜(えんぎ)16年(916)には正四位上に叙せられ、『延喜神名帳(じんみょうちょう)』では相模唯一の名神大社となっている。相模国一宮(いちのみや)。例祭は9月20日、前日に流鏑馬(やぶさめ)神事が行われる。5月5日の国府祭(こうのまち)(端午祭(たんごまつり)ともいう)は、一宮である当社をはじめ二宮から五宮までの神輿(しんよ)が国府の神揃山(かみそりやま)へ渡御する国府祭祀の古態を残す神事で、県の無形民俗文化財に指定されている。また7月第3月曜日(海の日)には神輿が茅ヶ崎(ちがさき)海岸まで渡御する浜降祭(はまおりさい)(みそぎ神事ともいう)がある。

[佐野和史]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「寒川神社」の意味・わかりやすい解説

寒川神社
さむかわじんじゃ

神奈川県寒川町宮山に鎮座する旧国幣中社。相模国一宮。祭神は古来諸説があったが,明治以降は寒川比古命(さむかわひこのみこと),寒川比女命(さむかわひめのみこと)とされる。創祀は定かではないが,『続日本後紀』承和13(846)年9月8日条に「奉授相模国无位寒河神従五位下」という記述が残る。例祭は 9月20日(19日に流鏑馬が行なわれる),5月5日の国府祭,7月海の日浜降祭などがある。

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百科事典マイペディア 「寒川神社」の意味・わかりやすい解説

寒川神社【さむかわじんじゃ】

神奈川県高座郡寒川町に鎮座。旧国幣中社。相模平野の水神寒川比古(ひこ)命・寒川比女(ひめ)命をまつる。延喜式内の名神大社とされ,相模国の一宮。例祭のほかに国府祭(座問答が有名),浜降祭などがある。
→関連項目寒川[町]

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デジタル大辞泉プラス 「寒川神社」の解説

寒川神社〔千葉県〕

千葉県千葉市にある神社。創祀不明。旧村社。祭神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)、寒川比古命(さむかわひことみこと)、寒川比売命(さむかわひめのみこと)。魔除け、厄除け、方位除けで知られる。8月に神輿の海中渡御が行われる。

寒川神社〔神奈川県〕

神奈川県高座郡寒川町にある神社。祭神は寒川大明神(寒川比古命(さむかわひこのみこと)、寒川比女命(さむかわひめのみこと))とされる。八方除、方位除で知られる。相模国一之宮。

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事典・日本の観光資源 「寒川神社」の解説

寒川神社

(神奈川県高座郡寒川町)
かながわの建築物100選」指定の観光名所。

寒川神社

(神奈川県高座郡寒川町)
かながわ未来遺産100」指定の観光名所。

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