小国神社(読み)オクニジンジャ

デジタル大辞泉 「小国神社」の意味・読み・例文・類語

おくに‐じんじゃ〔をくに‐〕【小国神社】

静岡県周智郡森町にある神社祭神大己貴命おおなむちのみこと。別称、許登麻知ことまち神社。遠江とおとうみ一の宮

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精選版 日本国語大辞典 「小国神社」の意味・読み・例文・類語

おぐに‐じんじゃをぐに‥【小国神社】

  1. ( 「おくにじんじゃ」とも ) 静岡県周智郡森町一宮にある神社。旧国幣小社。祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)遠江国一の宮。許登麻知(ことまち)神社。

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日本歴史地名大系 「小国神社」の解説

小国神社
おくにじんじや

[現在地名]森町一宮

赤石山脈の南端の本宮ほんぐう山系丘陵地の南麓にある。遠江国一宮で旧国幣小社。祭神は大己貴命。「延喜式」神名帳記載の周知すち郡三座のうちの「小国ヲクニノ神社」は当社に比定される。慶長八年(一六〇三)神主鈴木重勝が記した遠江一宮社記録(大場家文書)によれば小国神社の社名は杵築きづき大社(出雲大社)を大本宮というのに対する美称で、古来より願事を待つ意の許当麻知ことまち神社、願事の叶う事任ことのまま神社の別名をもつ。また欽明一八年大己貴命が北方の本宮山に出現し、のちに約一〇〇町ばかり南の宮代みやしろ村に新宮が建てられたとの伝承が記される。「続日本後紀」承和七年(八四〇)六月二四日条に「遠江国周智郡无位小国天神」とあり、従五位下に叙されている。貞観二年(八六〇)一月二七日には小国神が正五位下から従四位下に、同一六年二月二三日には従四位上に昇叙されている(三代実録)。永保二年(一〇八二)一〇月一七日には小国社神主に清原則房が補任され(「神祇官移」朝野群載)、これをうけて翌三年八月二七日、遠江守藤原惟信から則房を小国宮司職に補任するという国符(同書)が出されている。「中右記」承徳元年(一〇九七)九月二八日条によれば、僧実誉は「小国社神宮寺」の別当から除かれたことについて訴訟を起こしたようであるが不詳。


小国神社
おくにじんじや

[現在地名]春野町杉

すぎ川右岸の門島かどしまうえやまにある。祭神は大己貴命。旧村社。社蔵の慶長一八年(一六一三)一〇月一二日の棟札銘には「周智郡気多郷村」「小国鹿園大菩薩御宝殿」とみえ、旦那門島五郎左衛門尉と久原ひさはら行子平ぎようしだいら(行師平)・えびとう、いより(居寄)・けたこ(気田子)すぎみね(杉峰)の住人から一二貫九五〇文と布等の寄進を受けて社殿が造立された。正保郷帳には正国とあり寺領五〇文。のち除地四斗となる(旧高旧領取調帳など)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小国神社」の意味・わかりやすい解説

小国神社
おくにじんじゃ

静岡県周智(しゅうち)郡森町一宮(いちみや)に鎮座。祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)。555年(欽明天皇16)に霊験(れいげん)あって天聴に達し本宮山に一社を勧請(かんじょう)し、文武(もんむ)天皇の701年(大宝1)神託により勅使を差遣して現社地へ遷座のうえ、十二段舞楽を伝えたという。神階叙位の記事は六国史(りっこくし)に数度載せられており、874年(貞観16)には従(じゅ)四位上を授けられている。式内社。遠江(とおとうみ)国一宮(いちのみや)。江戸時代には将軍家より590石の朱印領の寄進があった。1873年(明治6)国幣小社に列格。例祭は4月18日。例祭にもっとも近い土・日曜日に十二段舞楽が奉納される。舞楽は独特の芸態があり、国の重要無形民俗文化財指定を受けている。境内菖蒲(しょうぶ)園も開花期は多数の参拝者でにぎわう。

[佐野和史]

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改訂新版 世界大百科事典 「小国神社」の意味・わかりやすい解説

小国神社 (おぐにじんじゃ)

静岡県周智郡森町に鎮座。大己貴(おおなむち)命をまつる。社伝では欽明天皇のとき本宮山頂に出現し,創祀したという。874年(貞観16)従四位上,延喜の制で式内社。遠江国の一宮。古代末期の神仏習合信仰を示す経筒出土中世には本宮山頂の奥宮参詣が栄える。徳川家康は戦国期に焼失の社殿を復興し,以後朱印領590石。明治の制で国幣小社。本殿大社造。例祭4月18日。田遊祭・神楽舞がある。
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百科事典マイペディア 「小国神社」の意味・わかりやすい解説

小国神社【おぐにじんじゃ】

静岡県周智郡森町に鎮座。旧国幣小社。大己貴(おおなむち)命をまつる。欽明天皇の時の鎮座と伝える。延喜式内社とされ,遠江(とおとうみ)国の一宮。例祭は4月18日。十二段舞楽(4月17〜18日)などがある。開運,福徳,縁結びの神として信仰される。

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デジタル大辞泉プラス 「小国神社」の解説

小国(おくに)神社

静岡県周智郡森町にある神社。祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)。遠江国一之宮。春の例大祭で奉納される十二段舞楽は、国の重要無形民俗文化財に指定。

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